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7月1日規制後もあの手この手 グリー、モバゲーの恐るべし“コンプガチャ”商魂(2)

 「先日、DeNAが4〜6月期の業績予想を発表しました。連結売上高は467億円(前年同期346億円)、連結営業利益は175億円(同158億円)といずれも増加。売上げの3割を占めていたというコンプガチャ廃止の影響を見事に払拭しています。この収益に大きく寄与しているのが『モバコイン』と呼ばれるものです。コンプガチャショックで大手2社(DeNA、グリー)の時価総額が一夜にして2000億円も吹っ飛びましたが、なかなかどうして回復もそう遅くはないかもしれません」(証券エコノミスト)

 このモバコインとは、DeNA運営のオンラインゲーム内で使われる専用仮想通貨のこと。他社にも同様のものがある。主にゲーム内で使用することによってアイテムを手に入れたり、時間のかかる作業を短縮化するために利用できる。また、アバターと呼ばれるゲーム内での自分の分身キャラクターの洋服や髪型、グッズなどの購入にも利用できる。これら仮想通貨はクレジットカードや携帯から決済することができ、携帯の場合は、通話料金と同時に引き落とされるので、親に内緒で購入する未成年者も多いという。
 「結局ゲームをやる以上、人より優位に進めたい、目立ちたいといった気持ちが優先されるんじゃないですかね。大抵のオンラインゲームは無料で始めることができるので、最初は気軽なのですが、とにかく無料のままでやろうとすると、あまりにもつまらないんですよ。体力の回復に時間がかかったり、多数の友達を協力者として登録しなきゃならなかったり…。これらは実はちょっとした課金で簡単にクリアできるんです。だから最初はなるべくお金をかけずに頑張るのですが、一度課金してゲームを進めてしまうと、次も同じように“コイン”に頼ってしまう。気が付けばコンプガチャと同じくらいの額を使ってしまうこともありましたね」(22歳・大学生)

 もうこうなると、自分自身できちんとけじめを付けられないならゲーム自体を止めるしかない。大人なら自己責任として容認できるが、分別がない未成年者、特に小中学生などが巻き込まれることは、安易に見過ごすことはできないだろう。
 正式にコンプガチャが違法となった今、ユーザーとゲームサイト運営会社との契約が過去にさかのぼって無効と判断された場合は、今まで課金した金を返金請求することが可能となることも考えられる。
 「正直、現段階では何ともいえません。コンプガチャが公序良俗違反として、明らかに逸脱していたかの判断は、課金していた人たちの年齢などにも左右されますからね」(権利問題に詳しい弁護士)

 これらが認められたら一転、ゲームサイト運営会社の経営は危機的状況に陥る可能性もある。
 「安心して利用できる環境を整えたい」(グリー)
 「引き続き健全化に務めたい」(DeNA)
 一連の問題について大手2社はこうコメントしたが、本心ではないことは明らかだろう。どうやら、言うこととやることが違うのは政治家だけではないようだ。

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