市会議員がこう漏らすのは、7月12日に起きた“宝塚市役所放火事件”だ。この日、税金滞納に伴う差し押さえに抗議して窓口を訪れた高橋昭治容疑者(63)は、係の対応に激高し「俺の返事はコレや!」と火炎瓶2本を投げ込んだのだ。
「その場で取り押さえられた高橋は『仕事が無くなり銀行口座も差し押さえられて腹が立った』と供述している。同容疑者は税金問題で、過去5回も市役所に抗議していることから、警察は一方的に不満を募らせた末の犯行と見ているのです」(社会部記者)
だが、これを真に受ける職員は少ないという。冒頭のコメントにもある通り、現場となった市役所内には、以前からこうした事件を誘発する“火種”がくすぶり続けているからなのだ。
前出の市議がこう語る。
「発端は、'06年に渡辺完前市長がパチンコ店からの収賄容疑で辞職したことから。これを受け中川智子現市長が当選したが、執行猶予となった渡辺氏は復権を狙い、今年4月の市長選に出馬して落選の憂き目を見ました。だが、こうした動きから市役所内には、いまも前市長派の残党と現市長派の確執が渦巻いているのです」
これが原因かは不明だが、実際、確執が表面化してからは市政に対する抗議も急増していたというのである。
「たとえば『ゴミの分別をしていない地域がある』『タバコのポイ捨てが著しい』などの抗議が相次ぎだした。調査すると、騒ぐほどの違法行為でないものばかり。そのため市政への嫌がらせか? との声も出ていたのです」(市役所関係者)
またその一方、中川市長を支持する市議が従軍慰安婦問題で、民族団体にマークされているとの噂があり、事件直後にもネット上にそれら団体の関与を示唆する書き込みがあったという。
「つまり、今回の事件も背後関係が注目されている。『単純な逆恨みでなければ、再び事件が起きる』と漏らす者も多いのです」(同)
真相解明の待たれるところだが、市民を巻き込む事件だけは勘弁願いたいものである。