(1)暖房は必要最低限に
エアコン、こたつ、電気カーペットなどの暖房器具で温め過ぎると空気が乾燥し、肌も刺激を受けやすいので、加湿器や濡れタオル、洗濯物などを部屋に干す。室内の湿度は50%ほどに保つ。
(2)入浴は39℃前後で
熱いお湯の長時間入浴は、体内の水分を奪う。39℃程の湯に約20分浸かる。
(3)肌の擦り過ぎはダメ
タオルでの擦り過ぎには注意。脂が取れ、乾燥肌になりやすい。垢擦り、ナイロンタオルはもってのほか。石鹸も不要なくらいで、顔や首、脇の下、陰部、足の裏など汚れやすいところだけ軽く洗えば十分。
(4)保湿クリームを塗る
液体ボディーシャンプーなどは少なめに。入浴後は手足をクリームなどの保湿剤で万遍なく塗ること。
(5)下着、寝間着は綿製品
吸湿性がよく、水分を含む綿製品の下着、寝間着がお勧め。ゴワゴワ、モコモコは肌のこすれで痒くなり避けたい。ゴムやホックのきつい物も同様だ。
(6)ビタミンA・B・Eを摂取
ビタミンA群、B群、E群をたっぷり摂ろう。加えて、夜の睡眠中に皮膚の再生を促すホルモンの多くが分泌されるため、睡眠も6時間以上は欲しい。
ただし、痒み現象は、こうした外的要因だけではなく、内臓疾患を伴うものが10〜50%ほどあることも知っておく必要がある。東京・世田谷の皮膚科医院の谷部修二院長は、肌の痒みの陰には、糖尿病や肝機能障害、胃・肝臓がんなど内臓悪性腫瘍が潜んでいる場合もあると指摘する。
「もちろん、一概にどの病気かとは言えませんが、糖尿病などは、高血糖状態になると糖分を排出する回数が多くなり、脱水状態で皮膚乾燥が進みやすく痒みが出ます。肝機能障害も初期症状として痒みが出ますが、1年を通してしつこい痒みがある場合は、内臓疾患も考えられます」(長谷部院長)
これから寒さ凌ぎや忘年会で酒席は続く。しかし、翌日は脱水状態で、肌は痒みも伴いカサカサ…。こんな悲鳴を上げたくなければ、自己判断せずに内科・皮膚科の診察を受けるべきだ。