前2年はベテラン勢の前に出る幕のなかった4歳勢だが、当世代は昨年の一連の成績を見てもレベルが高いのは明らか。特捜班が迷わず◎に推すのはイースターだ。
距離不安をささやくむきもあるが、前走のディセンバーSは完ぺきな競馬だった。前半1000m61秒6のスローペースを好位3番手でピタリと折り合うと、終い3Fも34秒1できっちりとまとめる横綱相撲。瀬戸口師の「あの内容なら距離にメドが立った」という言葉通り、2000mに不安を抱かせない、実にクレバーな競馬っぷりを披露したのだ。
もともと、母バプティスタはサンデーサイレンス×アンバーシャダイ。気性の激しさから、4歳牝馬特別(現フィリーズレビュー、芝1400m、阪神)など短いところでの活躍が目立ったとはいえ、血統的に中距離はドンとこい。実際、昨秋のオパールS(芝2000m)では、スタートでアオッて出負け、おまけにスローペースと不利な状況のなか、上がり3F34秒1の末脚で0秒3差4着まで追い上げているのだ。前走の完勝ぶりを見ても「精神的に大人になった」(同師)今なら、まったく問題ない。
ハンデも前走からたったの1kg増なら恵まれたといえるし、「輸送競馬でもテンションが上がらずに落ち着いていた。その分、ダメージも少なかったからね」と状態面の良さにも陣営は太鼓判。今年の2月いっぱいで定年を迎える瀬戸口師だけに、こん身の調整で挑んでくるはずだ。
相手に挙げるのは、こちらも明け4歳馬のトウショウシロッコ。馬具を変えるなどさまざまな創意工夫が施され、これまでとはひと味違った競馬が期待される。「太くはないが、まだ若干、重いかも」(大久保洋師)との言葉の分だけ割り引きとした。
同じく4歳馬のグロリアスウィークも人気を集めそうだが、いくら休み明けとはいえ前走の内容がまずい。引っ掛かり通しでいいところなしだった。良化はしてくるだろうが、ハンデもイースター、シロッコと比べると明らかに見込まれたといえるだろう。
一発を狙うならシャドウゲイトか。まだ準オープンの身だが、この中山金杯は条件馬でも好走した例が多い。単騎逃げが濃厚で、中山<2202>のコース実績も心強い。ハンデ53kgなら、あれよあれよの逃走劇も十分だ。