裁判官は判決で、執行猶予をつける理由として「自分の責任を直視して覚せい剤と絶縁する決意をしていて、そのためには覚せい剤の使用を勧めた夫との離婚も考えている」と述べた。
これまでも酒井の周囲はそろって離婚を勧めてきた。芸能界の育ての親であるサンミュージックの相澤正久副社長をはじめ、支援者である建設会社社長や、すべてのマスコミの論調も「離婚が更生の第一歩」だった。今回さらに、司法の立場からも離婚が絶対条件であることを示された形だ。
「酒井にとってはやはり、プレッシャーだと思いますよ。夫の高相に対する愛情の深さは、初公判のときの様子を見れば一目瞭然。実はここに至ってもその強い気持ちは断ち切れていないと見られます」(芸能リポーター)
酒井被告はすでに離婚届に署名、押印しており、高相被告の判決公判が開かれる27日までに送りつける予定とされる。
しかし、「それも怪しい情報です。本当に離婚届を送る気があるなら、自分の公判が始まる前にやってしまった方が、明らかに法廷での心証は良くなる。そうできなかった時点で酒井の負け。“ほれた弱み”なのでしょう。もしかすると、離婚する意向を示すことこそ、最低限の法廷戦術だったのかも知れません」(同)との見方も。
さらに、高相被告側が離婚を受け入れない可能性も指摘されている。酒井被告にとっては、覚せい剤の入手先である夫との離婚が「更生」につながるが、高相被告にとっては「親子3人での再出発」が更生の道。“道楽息子”として育った高相被告にとって、酒井被告と10歳の息子だけが、今後、責任を果たしていくべき存在。失ってしまっては生きる目標をなくす、というのが高相被告の弁護士の主張だからだ。
「このままいけば離婚調停は必至でしょう。その過程では、酒井が夫と直接会う機会も必ず出てくる。もともと愛情をなくしていない夫と会って、離婚に向けて話をする。…酒井はボロボロになるでしょうね」(同)
また、法曹関係者は「離婚調停になだれこめば、ひとり息子の親権が焦点。この点については争う姿勢を見せていなかった高相被告側も、母親の無収入状態を指摘するなど、親権奪取に向けた戦略を組んでくる可能性は十分考えられます」と予測する。
今も愛し続ける夫との離婚調停に、たった一人の息子の親権闘争。酒井被告の更生に向けた第一歩は、ドロ沼の中で踏み出されることになりそうだ。