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地方球場に潜む罠 巨人が企む判定の抜け穴

 ペナントレース・日程表の“盲点”が露呈した。東京ヤクルト・小川淳司監督(56)が審判団に噛みついたのは、2014年5月12日に行われた巨人との一戦。巨人・ロペスの放った大飛球は左翼ポール上に消えたが、小川監督は「ファール」を主張し、ベンチを飛び出したのだ。試合はヤクルトが6対4で逃げ切ったが、指揮官の表情はブ然としたまま…。
 「納得いかないよ。地方球場でビデオ判定をしないというのは矛盾としている」

 温厚な小川監督がここまで言い放ったのは初めてかもしれない。
 NPBではホームランか否か、また、フェンス際の際どいプレーに関して『ビデオ判定』が行われている。しかし、セ・リーグのアグリーメント(協定)ではそのビデオ判定は「12球団の本拠地のみ」と決められている(『ほっともっとフィールド神戸』を含む)。“疑惑の大飛球”が放たれたのは、地方のいわきグリーンスタジアム(福島県)だから、小川監督の主張は認められなかったというわけだ。
 「アグリーメントは小川監督も分かっていたはず。地方球場でビデオ判定ができないのは予算上の都合とされています。地方は本拠地の球場よりも照明が暗いので、むしろ、ビデオ設置は必要なんですが」(スポーツライター・飯山満氏)

 アグリーメントの及ばない地方球場での試合は、ペナントレースにも大きな影響を与えそうだ。その利点を得るのは、巨人である。
 「今季、巨人は地方試合を15試合組んでおり、この先11試合を残しています(14年5月20日現在)」(関係者)

 巨人打線は長打力のある打者を揃えており、疑惑の大飛球が連続する可能性も高い。
 また、今季はどの球団も観客動員数への危機意識を例年以上に強く持っていた。消費税アップに伴うチケット代金の値上げ、さらにサッカー・ワールドカップも重なり、「大型補強に成功した巨人が独走してしまったら、6月に閑古鳥が鳴いていただろう」(同)との声も聞かれた。その意味では、好調・広島はまさに救世主で、「逃げる広島、追う巨人」の展開が少しでも長く続いてほしいというのが、セ・リーグの願いでもある。
 「巨人が例年以上に地方主催ゲームを増やしたのは、東京ドームでのDeNA、ヤクルト戦のお客の入りが悪いからでした。ビデオ判定のないことまで計算していたとは思えませんが、9月2日から、長野、敷島、宇都宮という変則の地方巡業があり、その対戦チームは広島です」(前出・関係者)

 「逃げる広島」の図式が続いていれば、この地方での3連戦が天王山になるだろう。ビデオ判定の有無がペナントレースの覇者を変えるかもしれない。

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