「まず、非常に謙虚です。調子に乗っているタレントみたくワガママなんて絶対言いません」と話すのはバラエティ番組の構成作家。「非常に芸達者であることもプラスですね。企画意図を理解して、完璧に演じてくれます。それにギャラは超格安。これからもっと彼らの需要は増えていくでしょうね」とも。
ただ、番組側からの評判とは裏腹に、プロレス界からは疑問の声も挙がっている。「確かにプロレスラーは見られることを意識する職業なので、バラエティ番組などでも使いやすいキャラクターであると思います。昔から結構レスラーの需要はありました。しかし、最近はリングの上でのイメージを壊すような演出が多すぎます。以前、大きな体で小さな虫を怖がるプロレスラーという演出があるバラエティ番組でありました」と話すのはプロレス関係者。
また、プロレス取材歴30年のベテラン記者は「昔の悪役レスラーなんて、リングの外だって我々を見つければ悪役に徹していました。お客が見てないのに追いかけまわされたりしましたよ。ただ、今のレスラーはみんなお上品。リングでいくら暴れたって、一歩外に出れば低姿勢で挨拶してきます。これもバラエティ番組出演の弊害でしょう。テレビ局内では悪役に徹することはできないし、番組内では企画意図に従わないといけないですからね。プロレス人気がある時は、“出演して頂く”という感じでしたが、今は“出演させて頂いてる”という姿勢ですからね」と語る。
ただし、プロレスだけでは食えないレスラーたちも増えてきているわけで、彼らの副業は、番組側の需要とマッチするため、出演が増えていくことは間違いないだろう。もちろんレスラー自身にも「テレビで名前を売って、試合も見に来てくれれば…」と願ってのことだろうが、逆にテレビ出演で自分たちの首を絞めることになってしまう可能性も秘めている。