「時代からズレている。昨年10月改編期に打ち出したキャッチフレーズが『圧倒的に面白くてオリジナリティーにあふれるカッコイイ“クール・メディア”モテる☆フジテレビ』ですよ」
こう苦笑いするのは、前出のテレビ誌記者だ。
「特番ではないですが、低視聴率のため今年3月で打ち切りになった『アイアンシェフ』なんか“バブルをもう一度”という感じで、ファミレスの印象が強いテレ朝とは真逆。社運を懸けると意気込み、今月、放送された2夜連続ドラマ『女信長』も両日ヒトケタで大コケ。局のブランドイメージがガタ落ちで、若者の支持がないんです」
そういえば、4月1日にフジを退社した元アナ・長谷川豊氏がブログで「『ウジテレビ』とか言ってバカにされるのは僕もなんだかつらい」と嘆いていたのは記憶に新しい。
また、民放キー局関係者はフジについてこんな話をする。
「かつて日テレがリストラを進め、給料が2〜3割カットされたとき、フジは局員のモチベーションが下がるだけだから、うちはしないと言っていた。しかしその結果が今の状態」
さらに番組制作について、こう振り返る。
「かつて一強だったフジは、ドラマありきでやっていた。当時、キャスティングを3年前から抑え、人気者を確保しさえすればOKという姿勢。しかし、それがプロダクションとのがんじがらめ状態を生み、今はそれがアダになっている」
話を特番に戻すと、そんなフジで唯一、高視聴率を稼ぎだしたのが、『めちゃ×2イケてるッ!』の2時間半スペシャル『めちゃ×2祝ってる! 矢部浩之・裕子結婚披露宴生放送スペシャル』。
制作費はかかっているものの、視聴率は20%超。CP格付けもA以上でおかしくないはずなのに、なぜかBと振るわない。
そのあたりを前出・民放編成幹部はこう語る。
「さんざん引っ張った矢部と青木アナの結婚ですから数字は取れて当たり前。むしろ2人の結婚が生放送で20%しか取れなかったのが問題。テレ朝、日テレなら30%に手が届いたはず」
この結婚特番で割りを食ったのが青木の古巣TBS。目下、フジと激しい3位争いを展開中だ。
「当初はTBSも同時で披露宴を放送する予定だった。独占したフジはそれだけ数字が欲しかったということですが、自局アナのおいしいネタを他局に持っていかれ、TBSは怒りが収まらない。それだけが理由ではないでしょうが、今年1年でフジを追い越すと息巻いてます」(スポーツ紙記者)
とはいえ、特番のCP格付けも冴えず、まさにフジといい勝負だ。
「日テレのCMスポット1分が3000万円とすると、TBSは700〜800万円。『赤坂サカス』など不動産収入でしのいでいるのが現状」(前出・広告代理店関係者)
テレ東は、業界内で「振り向けばテレ東」という言葉が定着しているように、最下位が定位置。
「表を見ても一目瞭然。とにかく制作費が安い。だからMCの顔ぶれも他局とかなり異質でしょう。15%を超えたら会社をあげて喜ぶような局です」(前出・スポーツ紙記者)
ただ、『モヤモヤさまぁ〜ず2 大江アナ卒業記念スペシャル』は12%台と好成績で、「モヤさまで泣かされるとは思わなかった」という大江アナファンが続出したようだ。