“ロンハー”といえば、悪質ながらも金と時間と知恵を振り絞ったドッキリ企画が有名だ。1度の出演で芸能人生は大きく変わるが、あまたの企画で好評なのは公開プロポーズ。番組を利用してゴールインした芸能人は多い。元祖というべく存在は、タレントの石田純一。昨年64歳にして、妻でプロゴルファーの東尾理子さんとの間に3人目の子供が生まれたが、理子さんに結婚を申し出たのは“ロンハー”だった。
09年9月、訪れていたギリシャのミコノス島で、「生きていく限り大切にしていく」と求婚した模様は、『ロンドンハーツ3時間スペシャル』で独占放送。莫大な制作費を投入した特番から、22歳差のビッグカップルが生まれた。
そのおよそ2年後の10月、同じく特番で公開プロポーズに踏み切ったのは狩野英孝。“ロンハー”によって、ド天然・ナルシスト・マイペース過ぎる性格を見いだされ、アーティストの「50TA」(フィフティーエー)として歌手デビューまで果たした狩野。プロポーズの場所は、そんな50TAの単独ライブの会場となった千葉・幕張メッセだった。
およそ5000人のファンが見守る中、アンコールで、およそ5年交際していた3歳年上の一般女性・アツコさんのために作ったラブソングを熱唱。翌12年の自身の誕生日(2月22日)に入籍した。ところが、結婚生活は長く続かず、狩野の重なる浮気癖がバレて、14年に離婚。今なお独身を貫いている。
ちなみに、“ロンハー”がプロポーズをサポートした特番の第1号は出川哲朗。04年3月、妻で元レースクイーンの一般女性に気持ちを伝えている。子なしの夫婦生活は今も続いている。
『金曜★ロンドンハーツ』の時代の16年6月、スタジオで手紙を読んでプロポーズしたのは、コンビ芸人の笑撃戦隊・野村辰二。交際歴7年で、この2年前に放映された企画で、恋人のピン芸人・やしろ優と同棲中であることが明かしていた。その流れを汲み、2年越しとなった“ロンハー婚”。芸人夫婦は、いまだやしろが稼ぐ格差婚だ。
石田、狩野、出川、野村はテレ朝という巨大な力を借りてのゴールイン。反して、日本テレビから誕生した芸人夫婦もいる。たんぽぽ・白鳥久美子とチェリー吉武だ。
2人はおよそ4年の交際を経て、昨年8月、『24時間テレビ 41』内の企画「タスキをつなげ!東海道ご当地キャラリレー」の最終走者だった吉武がドッキリ求婚。白鳥はもちろん、相方の川村エミコも号泣するなか、結婚指輪を捧げた。
日テレでは昨年7月、『行列のできる法律相談所』で、モデルで女優の高橋ユウがK−1ファイター・卜部弘嵩からサプライズプロポーズを受けている。2人はその後、ラブラブ夫婦の仕事が急増した。
テレビという公共の力を借りて、幸せをつかむ芸能人たち。狩野しか離婚していないことを考えれば、勝率はいいか……。
(伊藤雅奈子)