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アルコールだけじゃない! 年末年始の“美食三昧”が引き起こす「肝臓破壊」(2)

 横浜市保土ヶ谷に住む大手住宅メーカーに勤務の川端武喜さん(48)は、今年1月中旬、体の倦怠感と胸やけなどが続いた。ウエストもベルトの穴2つほどずらさないとズボンがきつく、「太ったなぁ」と感じていた矢先でもあった。
 そこで会社の嘱託医先のクリニックを受診したところ、肝炎の疑いがあると診断された。血液検査や腹部CT検査、超音波検査などで判明したものだが、正式な病名は「非アルコール脂肪肝炎」だった。

 川端さんも、アルコールは飲まないタイプで、飲んでもビールをせいぜいコップで1〜2杯程度。しかし体重は81キロ(身長175センチ)で大型。学生時代は同好会でテニスをしていたが、会社勤めに入ると仕事に追われ運動は皆無の状態。年末から年明け6日までの10日近くの休みも、ほとんどが“食っちゃ寝”の繰り返しだったという。
 「仕事疲れもあったと思います。テレビやビデオを見てはごろ寝。正月料理も良く食べました」
 こう告白する川端さん。しかし医師から「このまま放っておくと肝硬変など重い病気になる。糖尿病も悪化しつつある」とこっぴどく指摘された。そして、食事療法と運動療法を説かれ、1日に必要な摂取カロリーは「約1600kcalとし、バランスの良い食事を摂ること」と、パンフレットまで渡されたという。運動についても「カロリーを減らすために、1日1万歩以上の歩行(散歩)、長く続けられる水泳などもいいはずです」とも説明された。

 現在、川端さんは医師の指導に従って、散歩や水泳に取り組んでいるものの、理想通りにはなかなかいかないと、正直に語った。
 「仕事の関係もありますが、体重10キロ減を目指すも、まだとても。でも倦怠感や胸やけはなくなり、体が軽くなったような気がします。食事もいろいろ気を付けていますが、好きな焼肉もいっちゃいますしね(苦笑)」

 栄養管理士で料理研究家・林康子氏は、こう説明をする。
 「太り過ぎなどは一時的な食べ過ぎが引き金になることが結構あります。まして冬場は寒いので運動量が落ちて筋肉も減りやすいため、基礎消費カロリーが下がります。単に“太くなった”で済めばいいのですが、脂肪肝などになると話は別ですね」

 林氏によれば、非アルコール脂肪肝など肝臓病の“撃退法”は、次の点をチェックすべきだという。
(1)間食は控える。
 どうしてもケーキを食べたい日は、1切れまでと決める。毎日は食べない。
(2)柿などの甘味の強い果物は1日1個までに。
(3)脂ものは避ける。
 油を使うときはオリーブ油、キャノーラ油などの良い油を使うようにする。
(4)ご飯や麺類などの炭水化物を摂りすぎない。
(5)タンパク質の肉や魚、豆腐、豆類などはしっかり食べる。
(6)ノンオイルドレッシングの野菜サラダを、毎食ごと初めに食べる。
 「とくに(5)のタンパク質は重要です。脂質や糖類と違ってタンパク質は、体内で脂肪として蓄積されないので、満腹感を得るためには油の少ない肉類や豆腐などを多めにしてください。いずれにしても、脂肪分を口にしないことです。糖分をはじめ炭水化物も、体内で中性脂肪となって蓄積されやすいので注意です。あとは歩くときの速歩を心がけてほしい。ウオーキングなどの有酸素運動をする前は、ストレッチ・筋トレを必ず行うようにしてください」(同)

 年末年始の暴飲暴食は論外だが、美食の摂り過ぎもほどほどに!

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