「秋の花粉症は、ブタクサやヨモギなどのキク科の雑草、カナムグラというアサ科の雑草の花粉が原因です。通常は8月頃から日本各地で飛び始め、9月中にピークを迎え10月まで続くといわれています」(世田谷井上病院・井上毅一理事長)
これらの雑草の花粉はスギ花粉症に比べ飛散量も少なく、高い木であるスギと異なる草花のため、飛散範囲も狭く症状は軽いといわれている。しかし、どうやら今年は状況が違うようなのだ。
「9月と10月も全国的に例年より気温が高く、降水量が多い。その影響で、9月にピークを迎えるはずの花粉飛散が10月にずれ込みそうなのです。“春の花粉症”で悩んでいる人は、特に注意した方がいいでしょう」(健康ライター)
雑草だけに繁殖力は強く、道路脇や公園、河川敷、あるいは都市のコンクリートの隙間まで日本全国に広く分布しているので、たちが悪い。
「ブタクサの花粉などは、太陽が昇り始める早朝から午前中にかけて多量に飛散する傾向にあるそうです。したがって、症状がひどい方は、特に晴れた日の午前中は土手や公園などのジョギングやウオーキングを避けた方がいいと思います。予防策は“春の花粉症”と同じく、マスクや花粉症対策のメガネをかけること。マスクは水で湿らせると効果的です。まつ毛にも付着するので、帰宅したら水でよく顔を洗うことも必要です」(前出・井上理事長)
また、花粉症と無縁だと思っている人も、突如症状が表れるため要注意だ。
「雑草は花粉が小さく肺まで入りやすいので、アレルギー性の気管支喘息になることもありますから、油断できません」(同)
結局、1年間花粉で悩まされることになるのか。