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“破れない”“詰まらない”寿命を左右する丈夫な「血管」の作り方(1)

 「血液より血管」が大事! かつて“血液をサラサラ”にするという食べ物が流行った。確かに血液も大切だが、実は「破れないような血管にしなければ意味が無い」と言う専門家が多い。血管の老化は55歳くらいから始まるとされ、「破れない、詰まらない」血管を作らないと、心筋梗塞や脳卒中を起こさない健康な体は維持できないというのだ。

 120年もの耐久性があるといわれる血管が、なぜ壊れるのか。また、いかにして強靱な器官をケアするのか、「食と運動」の視点から調べてみた。
 厚生労働省の調査によると、日本人の死因の30%は心筋梗塞と脳卒中などの脳血管疾患だという。その最大の原因になっているのが動脈硬化だ。血管が老化すると血管に弾力性が無くなり、コレステロールや中性脂肪などが血管の壁に付着し、詰まったり硬くなったりしてゴワゴワ状態に。その結果、血管の中の血液がスムーズに流れず、酸素や栄養不足になり高血圧になる。そうなると血管へ常に負担が掛かる状態になり、動脈は弾力性を失い硬くもろくなる。進行すれば狭心症、心筋梗塞などのほか、脳疾患(脳梗塞、脳出血)に陥るとも言われている。

 『血管を強くする本』(PHP研究所)の著者でヱビス診療所の院長を務める松原英多医師は、本の中でこう述べている。
 「心臓も脳も、腸も、人間の臓器はすべて血液によって栄養が与えられ、そこで生まれる老廃物も、血液によって洗い流される。つまり臓器の健康を直接的に司っているので、血液を淀みなく補給し続けるには、何よりも血管が健康でなければならない」
 松原医師はさらに、「臓器の不調は敏感に感じ取る人でも、血管の状態に意識を向けることはない。そこに現代人の健康管理の落とし穴がある」として、血管を継続的に鍛えるには、基本を「運動と温めること」におくと結論付けている。

 また循環器系の専門医でもある医学博士・浦上尚之医師も「血管は鍛えるべし」を唱える一人だ。
 「人は指先でも耳たぶでも、体のどこを切っても血が出る。それを考えると、人間の体は血管で出来ていると言っても過言ではないでしょう。そんな大切な存在である血管に丈夫で長持ちして貰うには、血管を壊れないように、鍛えなければならない」と言う。

 しかし、前述した通り、一説には血管の本来の耐久年数は120年ともいわれる反面、近年は老化の進行が著しく、神話に近い話になっているのが実情だ。

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