大谷は5月5日までに打者として19試合に出場。打率3割3分9厘、4本塁打、14打点を記録。投手では4試合に登板し2勝1敗、26奪三振。この活躍ぶりを、ベーブルース以来100年ぶりに現れた二刀流と米メディアも認めざるを得ず、全米で野球の話題といえば大谷一色に染まっている。
物議を醸しているのが、メジャー最低保障54万5000ドル(約5800万円)という低年俸だ。規則上、エンゼルスは6年間、大谷を保有する権利を有し、年俸調停権を得る3年目が終了するまで、どれだけ活躍しても年俸は据え置かれる。
「これは25歳以下の外国人選手から米国人選手を保護するために設けられた規則。だが、大谷が連日MLBを盛り上げているのを目にし『二刀流の挑戦を応援しよう』という機運が高まり、救済策を検討し始めている」(スポーツ紙デスク)
現在、MLBで年俸総額トップは、マーリンズ時代の'14年に13年3億2500万ドル(約370億6000万円)で契約したスタントン(現ヤンキース)。経済アナリストに言わせると、「23歳で、今後10年以上活躍が見込める大谷は、スタントンに匹敵する価値がある」との市場価格をはじき出し、オーナー連も同じ評価をしているのだ。
ここまでMLBが二刀流・大谷の存在を重く見るのには、NFL(アメフト)、NBA(バスケットボール)への対抗心が背景にある。米国において、身体能力の特に優れた高校生、大学生は、マイナーで下済み生活を強いられるMLBには見向きもせず、NFL、NBAを目指す傾向にある。
ところが、大谷の活躍により、若いトップアスリートたちが、より身体能力が求められて、なおかつ稼げる「二刀流」に魅力を感じているというのだ。
「トップアスリートをMLBに呼び込むため、二刀流のランドマークである大谷は、超高額年俸であるべきというのがMLBオーナー連の考えです。エンゼルスも大谷を長期保有できるなら望むところ。途中でヤンキースなどの金満球団に高値で転売することも可能だからです」(同)
そんな大谷には、登板日にDHを外し打席に立たせる案まで浮上してきている。
「MLBでは近年、若手有望株と早々に長期契約を交わすケースが出てきました。メジャー1年目のロンゴリア(現ジャイアンツ)はレイズ時代、開幕直後に6年1800万ドル(約19億円)で複数年契約。エンゼルスも19歳でデビューし、主砲に成長したトラウト外野手と4年目の開幕前に6年1億4450万ドル(約155億円)で契約延長しています。大谷ならそれらを超える可能性もあります」(マネジメント会社の代理人)
年俸30億円超のギガ契約も、夢ではない!