「野球・ソフト、スカッシュ、空手が立候補しているのは有名です。他にも綱引き、ボウリング、ダンス、ローラースケートなどもピーアールを行っていますが、スポーツ関係者の目には、どの競技も横一線と映っています」(スポーツライター・飯山満氏)
選考のポイントは「国際的普及率(競技人口)」、トップ選手の参加の有無など。東京五輪組織委員会の側にすれば、そこに「予算内で収まるか?」という重要課題も加わるわけだが、議員たちが“空手有利”と予想する理由は政治力にあった。
全日本空手道連盟の会長が自民党の重鎮・笹川堯元衆院議員なのは有名な話。昨年6月には笹川氏の呼び掛けで、空手の東京五輪参加を目指す議員連盟も発足された。会長には菅義偉官房長官が就任している。さらに追加競技の陳情窓口は、こちらもいまだ強権を持つ組織委員会会長の森喜朗元首相が務めている。
「追加種目の決め方は3つ。東京が独自に決定するか、IOCの意見を聞く。3つ目はIOCでの投票です。舛添要一都知事は『IOCにも意見を仰いでから』と話しており、東京が独断決定しない限り、欧州で競技人口の少ない野球・ソフトは不利です」(飯山氏)
空手は世界180以上の国と地域が連盟に加わっており、競技人口は6000万人強。笹川会長が 「ポケットマネーで費用を出す。組織委員会からは1円も出させない」と話したそうだが、実際、日本武道館など既存の施設で十分に開催可能だ。
「五輪で野球が見たい」と願う日本国民をソデに、永田町の“ご都合主義”で五輪の様相が変わるかも!?