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渋谷通り魔犯の“殺意無し”の言い分

 東京メトロ副都心線渋谷駅で2012年5月21日、新聞配達員の男性(53)がサバイバルナイフで刺されて大けがを負った。犯行時刻は午後6時台で、人通りの多い時間帯であったにもかかわらず犯人は逃走。未解決となるかと思いきや、駅構内に無数に設置された防犯カメラに足取りはしっかりと残されており、翌々日の23日、あっさり逮捕された。
 その通り魔、渡辺知宏被告(33)の裁判員裁判が、12月13日から東京地裁でスタート。罪状認否では「殺意はなかった」と、殺人の裁判員裁判でよくある主張を始めたのだが、さすがにそれは通らないのでは? という証拠ばかりなのである。

 そもそも、渡辺被告が持っていたナイフ。
 「なんと全長38センチで、長いにも程がある。『護身用』だそうですが、だったらニセモノのナイフでもいいはず。これを毎日リュックに入れてたんだから、どれだけ警戒して生きてたかって話です」(司法記者)

 しかも、渡辺被告が被害者に刺した首と背中の傷は、双方、骨まで達しており、かなり強い力で刺した事が窺われるのだ。
 渡辺被告の弁護人は、幼少期に両親が離婚したなど、不幸な生い立ちをアピールしながら、被害者について「昼からストリップ劇場で酒を飲んでいた」などと半ば貶めるような発言も。
 「これは裁判員裁判ですからね。自分が傷つけた被害者の事を悪く言っただけに、裁判員の印象は良くないと思われます」(同)

 ちなみに刺された直後、出血性ショックに陥り瀕死の状態になっていた被害者を救ったのは、なんと偶然通りかかった救急救命医。迅速に措置を施し、被害者を勤務している病院に搬送、一命を取りとめた。まるでマンガのような出来事だが、この医師が通りかからなければ殺人罪での起訴になっていただろう。
 「以前から通行人の体が接触することにいらだちを感じていた」という渡辺被告。身近に要注意人物が紛れ込んいるという脅威を、改めて思い知らされる。

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