自然災害によるライフラインの寸断で、真っ先に不足するのが水だ。被害が広範囲にわたる場合、各家庭に水が行きわたるまでに1カ月以上かかることもあるため、特に夏場は備蓄水を心掛ける必要がある。
「被災地にはごみが乾燥し、様々な細菌が舞っているため、下手をすると感染症にかかることも考えられる。そうしたことにも備え、必ずマスクを準備しておくこと。また、とにかく手を洗う機会が増えるため、水がないときのためにウエットティッシュも用意しておくことです。もし、自分の住む街が被災したり、被災地に出向く場合は帽子をかぶり、作業をしていないときはできる限り日陰に入ること。熱中症にならないように水分と塩分を摂取することも大切です。加えて、日差しが強い場合はドライアイや視野狭窄になる危険もあるので、サングラスも役立ちます」(同)
ただし、避難生活が続くことになった場合、猛暑だからといってまったく外出せずにいると、死亡する可能性が高い肺塞栓症などの、いわゆるエコノミークラス症候群に襲われる可能性が高くなる。
「それを予防するためにも、水分補給とストレッチを心掛け、ふくらはぎをマッサージすることです。また、就寝時は足を高い位置に上げること。避難生活による急激な環境変化で、すぐに陥ることもあるので要注意です」(健康ライター)
また連日、瓦礫の撤去作業を余儀なくされる場合は、食欲の減退も考えられる。
「日本には赤痢などの疫病が蔓延する可能性は低いが、消化器系が弱ります。そうした時は、例えば、『カロリーメイト』などが役に立ちます。水分とそれがあれば、まず栄養不足で死亡するということはありませんからね」(同)
やはり、日頃からの準備が物を言うのだ。
「熱波の背景には、西から東へ吹く偏西風の蛇行具合が、地球規模で大きくなっている現象がある。日本付近では、もともと今よりずっと南に吹いていたものが北上し、暖かく湿った空気の勢いを強めている。さらに、南の海水温が高めであることも台風を頻発させます。今後も台風による豪雨と猛暑の繰り返しは、ますます増えると思われます」(同)
前例が偶然であることを祈るばかりだが、猛暑後の巨大地震は、当然ながらすぐに発生すればそれだけ過酷な状況が待っている。