「モンゴル出身力士たちは引退後、2つの選択を迫られる。母国に戻り、現役時代に稼いだお金をもとに新たな事業を始めるか、日本国籍を取得して大相撲界にとどまるかだ」(担当記者)
元横綱の朝青龍や日馬富士は帰国する道を選び、前者は銀行やサーカス団を経営して大成功。後者も首都ウランバートルに「新モンゴル日馬富士学園」という小中高一貫の学校を開設し、理事長に収まっている。
横綱歴13年目となる白鵬も、貯金はたっぷりあるはずだ。しかし、白鵬はモンゴルに帰国する道は選ばず、日本に帰化して大相撲界で生きる道を選んだ。
「今までは自分が相撲を取るだけで頭がいっぱいだったけど、これから別の道ができる。強いお相撲さんを育てることが一つの恩返しになる」
決意を新たにした白鵬。その脳裏には“白鵬部屋”を興し、第2の白鵬を育成する構想が描かれている。
「白鵬は指導が上手い。すでに幕内の人気者の炎鵬や石浦ら、内弟子も4人いる。白鵬がこれまでの功績を認められて大鵬、北の湖、貴乃花以来4人目の一代年寄を授与されるのは間違いないが、この3人は1人も横綱や大関を育てることができなかった。白鵬は、この一代年寄の嫌なジンクスを打ち破って名伯楽になると予言する関係者も少なくない」(前出・担当記者)
いずれは協会のトップ(理事長)になり、思い切った大相撲改革をやりたいとの思いも強いという。
「白鵬は不満のかたまりで、やりたいことがたくさんある。その一つが、『外国人1部屋1人制の撤廃』で、改革できるのはオレしかいないとの思いが強い。将来、理事長選に打って出るのは確実だ」(一門関係者)
“元外国人”が相撲協会の理事長を目指すとなれば、様々な障壁も立ちはだかる。あの貴乃花すら諦めた改革を成し遂げることができるのか。白鵬は「20年東京五輪で横綱土俵入り」を目指しているというが、帰化という大目的を果たして、すでに“燃え尽き症候群”に陥っているという声がしきりだ。