「民主主義で選んだ指導者に対してギロチンを呼び掛けるなどというのは、民政の崩壊を意味しています。朴槿恵政権が崩壊して得をするのは北朝鮮だという事実に、なぜ気付かないのでしょう。親北だった盧武鉉大統領時代の議員を新首相に任命すれば、当然、北朝鮮への利益誘導を図るに決まっています。案の定、挺身隊問題対策協議会は『昨年末の日韓慰安婦合意は、崔順実容疑者が関係しているので無効だ』と言い始めています。抗議デモの扇動者が誰かは自ずと見えていますよ」(朝鮮半島ウオッチャー)
朴大統領がムーダン=韓国のシャーマニズム(神仏や霊的存在と直接的に接触する宗教現象)に操られていたという事実に、全国民が裏切られたという気持ちになるのは分からないでもない。それでも最高国家機密が他国に漏れたわけでもなく、大統領が不正蓄財していたわけでもないのに、なぜここまで怒りが燃え盛るのか。
「格差拡大で閉塞感が漂っているのに、よりにもよって崔容疑者が朝鮮社会の中では下層に位置付けられるムーダンだったということに、庶民は怒っているのです。しかも崔容疑者の娘が、韓国人が最も過敏に反応する超エリート大学へ裏口から入っていたということへの反発もある。こうした妬み嫉みが、積もり積もっていた朴大統領に対する不信感を爆発させる最後の一押しになったのです」(同)
朴大統領が辞任しない限り、韓国人の怒りは収まらない。当然、国会では何も決められず無政府状態が続き、戒厳令一歩手前まで来ている。来年の予算編成どころの話ではない。
「もちろん影響は外交にも出ています。19日からのAPECは欠席、12月上旬予定だった日中韓首脳会談も再調整は避けられない。日本政府は『特に影響はない』と述べていますが、これは『韓国がどうなろうが知ったことではない』ということなのでしょう」(同)
暗殺、投獄、死刑と韓国歴代大統領の大半が不幸な終焉を迎えている。朴大統領もその呪われた末路を辿ることになるのだろうか。