「大リーグ機構(MLB)による選手の選抜となります。日本人メジャーリーガーを多く選出してもらいたいが、まずは田中将大(25)の凱旋が叶うかどうか…」(プロ野球解説者)
田中の在籍するヤンキースはWBCへの選手派遣を渋るなど、オフの国際試合には非協力的だ。現時点では大リーグ機構の人選を見守るしかできないが、小久保裕紀監督(42)は“もう一つの隠し球”も秘めていた。松井秀喜氏(39)の侍ジャパン入閣案である。
小久保監督と松井氏は宮崎キャンプで再会している。
「小久保監督の方から松井氏に話し掛けていきました」(現地入りした報道陣の1人)
14年2月6日、キャンプ初の雨天となり、巨人の臨時打撃コーチだった松井氏は、室内練習場で後輩たちの動きに目を光らせていた。小久保監督に気づくと、笑顔を返す。その後、2人だけの野球談議が交わされた。
室内練習場を出ると、小久保監督は報道陣に囲まれた。
「相変わらずのナイスガイ(笑)」
松井氏を指してそう笑っていた。野球談議の詳細は明かされなかったが、関係者によれば、小久保監督が松井氏を質問攻めにしていたという。
「メジャー独特の『動くボール』への対応策を求めていました。動くボールに適応するにはミートポイントを(体の)近くに寄せなければならず、近年、国際試合が増えた影響からか、2人は、日本とメジャーの打撃フォームが似てきたと言っていました」(関係者)
別れ際、小久保監督はこう言い残している。「何かあったら、ご協力お願いします」−−。侍ジャパンとの“接近”について、松井は「何もないよ」と一笑に付したが、「頼まれたら、ノーとは言えないヤツ」というのが、小久保監督のゴジラ評でもある。侍ジャパンのコーチスタッフは基本的に大会ごとのオファーであり、米国に生活拠点を置く松井氏にとっても、決して負担にはならないはずだ。
「昨秋、小久保監督は大学時代からライバルとして認めてきた仁志敏久氏をコーチ入閣させましたが、担当は内野守備と走塁。打撃担当はアマチュア指導者に託しました」(同)
打撃担当は『空席』とも言えなくはない。また、松井には第1、2回WBCの招集を辞退した“引け目”もあり、それを返したいとも考えているそうだ。松井は次期巨人監督の最有力候補でもあるが、周りの熱意とは裏腹に一歩引いた立場から後輩たちを見守ってきた。「ノー」とハッキリ断らなかったのは、『侍ジャパンへの協力』だけだ。