CLOSE
トップ > 社会 > 民主党内はすでに焦土戦 小沢一郎が担ぎ出す首相候補に細川護煕氏(2)

民主党内はすでに焦土戦 小沢一郎が担ぎ出す首相候補に細川護煕氏(2)

 消費増税法案は小沢グループがたとえ賛成しても、自民・公明の賛成が得られなければ成立しない。野田首相は「成立に命を懸ける」を繰り返し、今国会での消費増税法案の採決を曲げないが、民主党が問責決議を受けた田中直紀防衛相、前田武志国土交通相の交代を拒んでいることで、参議院は1カ月間も参院本会議が開かれていない非常事態。
 このまま混乱が続くと、消費増税どころか予算執行に必要な赤字国債を発行する特例公債法案が成立せず。4月5日に成立した平成24年度予算の執行が滞る事態となる。
 そうなれば、昨年の菅直人内閣がそうだったように退陣と引き換えに成立という流れになるが、開き直って解散総選挙に挑もうにも、国会議員定数の違憲問題があり、すぐにはできない。そうこう考えると、今国会を延長しながら、8月まではのらりくらりとこのままの状況が続くのか。

 そこでこれから始まるのが、小沢氏お得意の“焦土作戦”だという。
 「小沢氏もすぐに新党結成を実行する考えはない。8月中までは民主党に居残り、焦土作戦を敢行するはずです。焦土作戦とは戦争等において防御側が、建物、施設、食料等を自ら焼き払い、攻撃側の利用価値をなくして戦争を有利に運ぶ捨て身の戦術です。野田政権に攻撃されている小沢氏側は、この間に民主党の選挙組織、資金源、労組協力などを壊滅状態にして、新党の成功につなげる作戦。これは政党を作ってはぶち壊してきた、“壊し屋小沢”の十八番の必殺技です」(小沢グループの秘書)

 小沢氏が「消費増税反対」を一点に政界再編に舵を切れば、野田政権は自民党と連合を組み、念願の消費増税法案を成立させたいのだろうが、小沢氏を中心とする野田包囲網はそれより迅速かつ広範囲に進んでいる。
 橋下徹大阪市長率いる『大阪維新の会』は、野田首相が夏に向けて決めた関西電力大飯原発の再稼働方針に反発。返す刀で問責を受けた2閣僚の更迭要求に応じないことを理由に審議拒否を続ける自民・公明両党にも「税金泥棒だ」と痛烈に批判している。
 「『大阪維新の会』が小沢氏と友好路線を歩んでいるのは、まだ政党要件を満たしていないからです。今のままでは次期総選挙で300区に候補者を立てたとしても、比例復活当選は得られない。国会議員が5人以上いないと政党登録できないからです。が、選挙前に5人がどこかの党を離党し、新党『大阪維新の会』に参画すれば、恩恵にあずかれる。100人超がまとめて離党する小沢新党の中には、大阪維新に行きたい人もいる。そこは阿吽の呼吸です」(橋下氏と近い放送関係者)
 「小沢新党、大阪維新の会、みんなの党、河村たかし名古屋市長、大村秀章・愛知県知事などが組めば、第3極になりうる。公明党も味方につければ、政権をとることも可能でしょう。一歩間違えれば烏合の衆になりかねないが、細川氏は8党連立政権を体現した元首相。元熊本県知事でもあり、橋下市長らとも波長が合う。野田首相、谷垣総裁よりはるかに魅力を感じますね」(前出・政界事情通)

 政界から目が離せない。

社会→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

社会→

もっと見る→

注目タグ