「3月14日、カナダで複数の利用者が同社とみずほ銀を相手に集団代表訴訟を起こした他、米国でも同じ日に審理中の訴訟に、新たにみずほ銀が被告として追加されたのです。原告の主張は、みずほ銀がMTGOXの不正や不備を知りながら口座のサービスを提供し利益を得ていたというもので、同銀まで被告に加えられたのは、ネット上に流出した音声ファイルの会話の中身からでした」(経済誌記者)
このファイルは、ロシア人ハッカーを名乗る人物が公開したもので、MTGOXカルプレス社長と、みずほ銀担当者とおぼしき男性との会話が録音されている。
「カルプレス氏自ら録音した“本物”とみられており、同銀担当者が、ビットコインはマネーロンダリングなどに悪用されていると指摘して、口座の解約を求めているのですが、カルプレス氏はこの提案を拒否。結局妥協点がないまま終了している。もしファイルが本物なら、原告の主張通り、みずほ銀はMTGOXの不正や不備を以前から知っていたことになる。それでも関係を切ることができず、そのうち同社は破綻してしまったというわけです」(金融ジャーナリスト)
MTGOXは東京地裁に民事再生法の適用を申請し、さらに米国の裁判所にも連邦破産法の適用を申請しているが、“仮想の通貨がいつの間にか失くなった”という厄介な話だけに、訴訟の行方はかなり混沌としそうだ。
いずれにせよ金融庁から「機能不全」の烙印を押されたみずほ銀行の訴訟禍、悪を切れない優柔不断体質は、もはや“お家芸”としか言いようがない。