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石原真理子独占インタビュー 「ふぞろい」映画 女石原軍団結成へ

 著書「ふぞろいな秘密」(双葉社刊)の発行部数が30万部を突破した石原真理子(43)。映画化も決定し、彼女自身がメガホンを取ることは既にお伝えした通り。記者会見の後で応じた本紙のインタビューで、撮影に本腰を入れるため、クランクインに向けて“女”石原軍団を結成することを明らかにした。この映画にかける彼女の思いについて話を聞いた。
 本が出版されたのは去年の12月6日。わずか1カ月半しか経ってないのに、ずいぶん昔のことのように思えるという。
 「まるで嵐のようでした。本を出すときにはあれだけ悩んでいたのに、読者から共感や激励のお便りを頂いた今では希望が持てると実感しています」
 出版直後の騒がれ方は本の趣旨と違っていたため不満だったと語る。
 「でも、読者から寄せられたDVやイジメ、セクハラ、自殺などについての便りを読み、経験した人にしか分からないことを多くの人と分かち合えました。そうした方々と、これから人として触れ合っていけることに大きな意義があったと思います。このような部分を映画に生かしていきたいですね。どんな演技をし、どんな空気が生まれるのか。見ている人が安心できるような雰囲気を画面に出していきたいです」
 本が映画化されるとは思ってもいなかったので驚いているという彼女。作品に登場するのは玉置浩二をモデルにした男性だけで、それ以外の12人の男性についてはまったく触れないそうだ。
 「1人の女の子が経験する出会いから別れまでの物語。DVなどで受けたトラウマを克服し、再生し、希望を持って歩んでいく人生の流れを描きます。この作品を見て頂ければ、今まで私の作品を誤解されていた方々にも、本来のメッセージが伝わることでしょう」
 しかし、監督を引き受けることになるまでは想像していなかったろう。もちろんメガホンをとった経験など皆無だが、遊び半分で引き受けたわけではないと強調する。
 「監督のお話を頂いたのは昨年の暮れ。年末年始を通して考え続けました。でも、降ってわいたようなチャンスなので、お受けすることにしました。それに、2人の物語を意味のあるものにしたかったので、自分で監督してみようかなと。私は映画でデビューした女優です。デビュー作『翔んだカップル』の相米慎二監督をはじめ、井筒和幸監督、五社英雄監督といった監督さんと一緒に仕事をし、映画監督というのは威厳のある職業だということが私に伝わりました」
 故・相米監督はカメラの長回しなど独自の作風が「相米節」と呼ばれたように、彼女も自分なりの映像美を作り出したいと意気込む。
 「役者さんにとって演技しやすい監督になりたいですね。女優として、こういう監督さんとならいい演技ができる…そう思えるような監督像を目指します」
 しかし、映画は監督が1人で作るものではない。彼女の場合、スタッフがいい人たちばかりだったことが“一緒に映画を作り上げるんだ”という自信につながったそうだ。
 「全員一丸となって撮影に取り組むうえでも、“女”石原軍団のようなチームにしたいですね。出演者もスタッフも互いに尊敬し合えるような、アットホームなチームに。そして“この監督やスタッフはこういう仕事をする”という特徴を出していければ」
 もちろん彼女は脚本にもコミットしている。製作者サイドと協議し、最終稿を決定する運びだ。
 「自殺から再生し、そして希望を抱き自信を回復する…こうした心情的な部分を出すことで、お客さんが感情移入できる部分を考えたいですね」
 この映画は実話に基づいたフィクションになる。実名が出てきた原作とは違うものになりはしないのだろうか。
 「原作も映画も、もとは私の人生なので全く違う話にはなりません。映画でフォーカスを当てるのは“受動態”。つまり、私の人生の核となる物語であり、今まで私の身の上に起きたさまざまな出来事です。例えばイジメ。いまだに心の傷として残ってます。こうした事実を見てどう思うか、それが重要です。逆に映画を撮影するという行為は“能動態”。とっかかりとしてなくてはならないものです。例えばDVは恨みで描くわけではありません。石を投げてどう波が立つかを客観的に描かなければいけません」
 映画監督としての手腕は未知数だが、自分の手で納得のいく演出をしたいと意欲的だ。
 「演出には凝りたいですね。それぞれのシーンを絵で描いて色を付け、それを元に撮影を進めていきたいと考えています。映画好きが話題に出すようなシーンを自分なりの作り方で撮りたいですね。そろそろロケハン(撮影現場の下見)も始まりますし、オーディションの募集も1月29日に締め切ります。これまで約600人の応募がありましたが、最終的には1000人程度になるんじゃないでしょうか。キャスティングにはこだわりますよ」
 とはいえ、実名を暴露しただけに、プロダクションからさまざまな圧力がありそうなものだが、まったくなかったという。逆に、好意的に感じられるような対応が多かったほどだそうだ。
 「映画の公開は夏の予定。配給も現在4〜5社からオファーが来ています。この流れに一番驚いているのは、何を隠そう私自身。こんな形になればいいなという理想への第一歩を踏み出しました。ただ、髪を切ったのは女優を続けていくことへの証。とりあえず監督はこの作品だけに留め、その後は女優一本でいきたいと思ってます」

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