電車に乗ると、スマートフォンの画面に集中している乗客の姿が目につく。多くは背中を丸め顔を下に向けた姿勢だ。
「長時間この姿勢でいると、頭を支えたうえで首や肩、肘を固定するため、首の前側の『斜角筋』という筋肉が強く緊張します。この筋肉は小さく伸びにくいため、頭と首が前に出てしまう。この状態で固まってしまい、頸椎の自然な湾曲が失われてしまうのが『ストレートネック』です」(専門医)
「ストレートネック」は特に、20〜30代の女性に多いという。
「女性は男性に比べ首が細く筋力が弱く、頭の重さを支えるのにかなりの負荷がかかるからです。ただ、その前提としてスマホ症候群も怖い。四六時中手にしていると、触れていない時に強迫観念にかられ、一種の中毒症状になる。30分に一度は操作をやめるべきです」(世田谷井上病院・井上毅一理事長)
スマホを手に類人猿みたいな姿勢で歩いていると、慢性的な肩こり、首のこりに悩まされやすくなる。首を曲げても下部頸椎は動かないため、手のしびれや頭痛、めまい、目の奥の痛み、吐き気といった症状が出ることもある。さらに首を通る自律神経が筋肉に圧迫され、抑うつやパニックを引き起こすというのだ。
では、どのような姿勢にすればいいのか。
「手首を反らさず、スマホから肘まで一直線になるように持つ。そして右手でスマホを持つ人は左手を右腕と胸の間に挟んでスマホを操作する腕を安定させる。すると目線だけが動き解消されます」(専門医)
日頃からの心掛けが重要。