「二四がギリギリ。三千の菊花賞は限界を超えていたんでしょう。その疲れが完全に抜け切るまで、結局6カ月以上もかかりました」。目下26勝で全国リーディング2位、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いの池江寿師は昨秋、天皇賞ではなく菊花賞を選んだ決断の誤りを恥じるように振り返った。それから約9カ月。しばらく沈黙していた愛馬にようやく覇気が戻ってきた。
「夏に強いんでしょうかね。グリーンウッドから戻ったこの中間は、鞍上が引っ張り切れないほどの行きっぷり。休養前はこんな時計は出なかったですから」。メジロマックイーンの肌にステイゴールドという大器晩成の血は、降り注ぐ夏の太陽光をエネルギーにかえ、完全本格化を迎えた。
小倉は初見参ながらも、「(武)豊がいうには4つコーナーがある方が競馬がしやすいようです。そこで息が入り、直線の伸びにつながるからでしょう」と分析するトレーナー。「ハンデも57kg止まりだったし、神戸新聞杯に近い状態というか、それと同じくらいの手応え。ベストと思える二千で結果を出して秋で大きな夢をかなえたい」。その熱い思いは必ずや競馬の神様に届くはずだ。