「名古屋市に住む女子大生は4月1日、母親に『ネットで知り合った人に会いに行く』とだけ話して家を出た。さらに夜、『(島根県)松江市で男性と無理心中するつもり』との連絡を受けた母親が、翌日朝に娘が語っていた松江市の空き家の2階へ行くと、練炭が燻る七輪5個があり、すでに死亡した男性の傍で彼女が呆然と座り込んでいたそうです」(社会部記者)
駆けつけた警察官に女子大生は、「(男性に)殺してくれと頼まれ首を絞めたら死んだ」と供述したため、“承諾殺人”の疑いで逮捕となった。
殺害されたのは松江市の無職、岡田湖樹さん。2人はサイトで知り合った後、メールのやりとりを通じて親しくなったという。
「2人が心中騒ぎを起こした空き家は岡田さんの祖父所有の建物で、元はアパートだったのですが、改装のため空き家になっていました。岡田さんは介護の仕事をしていましたが、仕事中に大ケガを負い働けなくなった上、昨年11月には離婚し実家へ戻っていた。そんな離婚と失業という耐えきれない二重苦の慰みが、ネットの交流サイトだったようです」(同)
そこで出会った多感な時期の女子大生が深い同情を寄せたのか。彼女が容疑をかけられた“承諾殺人”に関して、司法記者が説明する。
「女子大生が岡田さんに同情して心中を図ったようですが、このようなケースは同意殺人として扱われ、被害者が頼み込めば嘱託殺人、加害者が被害者の承諾を得ていれば承諾殺人ということになる。どちらも6カ月以上7年以下の懲役で、過去の判例では、承諾殺人は平均懲役3年といったところです」
しばらくなりを潜めていた悪質な類の自殺サイトだが、やはり根深く生き残っている。