「昨年、起こした人身事故が尾を引いていないと言えばウソになる。男子バレーは前回のリオ五輪の出場権を逃していることから、中垣内体制で再建できる可能性が低いと見られれば、即座に容赦なく切られます」(関係者)
中垣内監督は昨年11月、広島県で男性をはね、重傷を負わせる人身事故を起こし、対外活動を控えていた。警察からの処分が遅れ、チーム合流は6月のワールドリーグ(2部)期間中となったが、同大会でチームを準優勝に導き結果を出した。しかし、これで一件落着とはいかなかったのだ。
「中垣内監督が代表指揮官候補に挙がった際、過去、不倫騒動で世間を騒がせ、現役時代も言動に傲慢なところがあったため、協会理事の大半は反対でした。しかし、一時期バレーボールの現場を離れ、会社の営業職に専念していた間の努力、反省が認められたのです」(体協詰め記者)
協会が中垣内監督に厳しく当たるのは、東京五輪への危機意識があるからだ。どの種目もそうだが、国際オリンピック委員会は、「ホスト国は自動的に本大会出場」というアドバンテージを認めない方向で動いており、今回のアジア予選で苦戦するようであれば、男子バレーは女子の応援だけという屈辱に見舞われる。
とはいえ、中垣内監督は就任したばかり。交通事故の件はともかく、即解任とは厳しすぎる気も…。
「前例があるのです。'14年、初の外国人監督となったゲーリー・サトウ氏率いる全日本が韓国に完敗すると、契約は“リオ五輪まで”だったにもかかわらず、協会はその1試合で解任していますからね」(同)
協会はそのタイミングを狙っているのか。采配での解任ならば経歴には傷はつかない。いずれにせよ、男子日本代表が正念場にあることに変わりはない。