シリーズ前に、丸亀の2大エース機といわれていたのが、間嶋仁と石田政のエンジン。その両名が準優に乗っていない。コメントだけ聞くと、上位クラスには思えない山本浩だったが、改めて見れば2連対率は3番目のエンジンだ。シリーズ中盤の活躍はここに見出せるが、本人が最近イマイチ。プロペラとの関係で数字のアシになっていない。実績機を出し切れない選手が結構いて、使用最終節という相場が固まった時期にしては、全体の機力格差はそれほどでもなかったように思う。
「いや、エンジン差は激しいですよ。ボートが初おろしの分、差が埋まっていたかも知れないけれど…。確かにオーシャンは準優前にペラが合ったのですが、それまでも中堅ぐらいのアシはあった。今回は着は取れていても、下がり気味でした。出発点が違いますから」
選手の立場から話すのは菊地孝だ。前回SG、若松オーシャンカップの快走は記憶に新しい。今回も(2)(1)(2)と順調に滑り出しはしたが、エンジンには首を傾げていた。案の定、中だるみがあった。それでも「整備をして、きょうの試運転が1番よかった」といって臨んだ予選ラストを、見事にまくり差した。
「1着で抜けても厳しかったですが、今節ではベストの状態。まだ行きアシはどうかなと思うけど、コーナーに入っていく感じはよかった」
これで準優の枠番が1号艇になった。SG連覇の権利は彼のみにある。第1関門突破へ、より集中力を高める。