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「アイム ゴーン(もうやめた)」とは言わない“変装”に隠された日産への執着

 107日ぶりにシャバの空気を吸った日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告(65)。“作業員コスプレ”の変装は、「刑事弁護界のレジェンド」の異名を持つ高野隆弁護士の発案だった。

 「保釈の際に、ゴーン被告のそばを歩いていた白い長髪に髭をたくわえた特徴的なルックスの人物が高野氏です。レジェンドの他に“保釈のスペシャリスト”とも称され、ゴーン被告の保釈を三度目の正直で勝ち取りました」(司法記者)

 高野弁護士は「ゴーン氏の保釈後の生活を守るため、メディアから自宅住所を秘匿することが目的だった」と理由を説明。結果的にメディアに撮影され、その姿が笑いものにされたことを悔い、自身のブログで〈私の未熟な計画のために彼が生涯をかけて築き上げてきた名声に泥を塗る結果となってしまい〉と謝罪した。

 計画は周到だった。キャップは埼玉県内の鉄道車両整備会社の支給品で、被告と全く同じ作業服姿の女性も同伴し、屋根に脚立を載せた、いかにもな軽ワゴンの作業車を用意。これで、女性とゴーン被告だけが出てくればマスコミは気づかなかったかもしれない。

 ゴーン被告側の計画を打ち砕いたのは、拘置所を管轄する法務省だった。
「いくら要人とはいえ、拘置所の敷地内なのに、あれだけの大人数で厳重ガードする意味はありません。作業員を装ってマスコミにバレないように出ようとするゴーン被告側の意図を見抜いた上で、カメラマンに気付かせるために、わざとものものしく警備させたんですよ。今回の摘発は、ゴーン被告を日産から排除するための国策捜査だから、ゴーン被告をメディアの前でさらし者にしたいわけです」(同)

 昨年11月の逮捕時も、羽田空港での捕り物を朝日新聞が撮影。その後のゴーン被告の銭ゲバぶりを報じるネタも、検察・法務省からのリーク説が絶えない。

 一方で、こんな説も。
「ゴーン被告は、日産でも作業服を着て工場を視察するなど、現場感覚もあるとPRしてきました。公判では『日産のために身を粉にして働いてきた』と主張するでしょうから、あのコスプレを全国に流されて、実はよかったのかもしれませんよ」(経済誌記者)

 ちなみに、作業用車両に偽装していたのはスズキ車で、保釈後の移動はトヨタ車を使用しているゴーン被告。これはあくまでも、日産から目をそらす作戦だ。ゴーン被告の行動を追うと、保釈されたその日に、まず模索したのは日産取締役会への出席だった。自身を切り捨てた日産への強い執着が透けて見える。「アイム ゴーン(もうやめた)」の気持ちなどさらさらない。

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