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サッカー界にも不況の波

 サッカー界の前途に暗雲。21日に最終日を迎えたクラブワールドカップ(W杯)は、マンチェスター・ユナイテッドが世界一、日本のガンバ大阪が世界3位に輝き、大盛況のうちに幕を閉じた。開催国である日本のクラブが2年連続で世界3位になったこともあり、同大会は盛況だったが、この先サッカー界の未来は決して明るいものではない。国際サッカー連盟FIFAにも、アメリカに端を発した金融危機が忍び寄っているからだ。

 国際サッカー連盟FIFAの傘下にある6大陸のクラブ王者が一堂に介して世界の頂点を決めるクラブW杯。今大会はクリスティアーノ・ロナウドやルーニーといった主役がきっちり役割を果たしてマンUを優勝に導き、昨年の浦和レッズに続いてJリーグのガンバが世界3位に入ったことも手伝って盛況をみせた。
 欧州王者VS南米王者で行われていた前身のトヨタカップを2005年から大陸王者トーナメント制にリニューアル。ここ3年連続、日本で開催してきた。クラブW杯を日本に招致した川淵キャプテンは当時、「世界の一流クラブとの真剣勝負ができる大会は必要。Jリーグ人気の起爆剤にもなる」とにらんでいたが、終わってみればその狙いは一定の成果をあげた。

 しかし、そんなクラブW杯も来年以降は開催への懸念が噴出している。大会関係者が言う。「クラブW杯は09、10年こそUAEで開催されますが、日本は、その後の11、12年に開催するつもりで動いてる。でもそんな悠長なことは言ってられない。冠のトヨタが業績不振から看板を下ろす最悪のことを想定していないと。日テレのサポートだって来年以降はわからない。開催は危うい」
 今季、赤字転落が見込まれるTOYOTA、9月の中間連結決算で37年ぶりの赤字転落した日本テレビが、なけなしの金を叩いてまで今後もバックアップするとは考えづらい。前出関係者が続ける。
 「トヨタに関してもっと言えば、そもそも彼らがこの大会の冠になるのは、海外事業部門がサッカー人気の高い欧米にパブリシティできると踏んでいるから。だがトヨタ自身が欧米事業を縮小しているいま、彼らにとって冠になる必要性は薄れてきている」
 決してクラブW杯に限ったことではない。2010年のW杯南アフリカ大会も例外ではないという。「FIFAはW杯やクラブW杯が収入の8割と言われています。しかもトヨタは両大会のスポンサーに入っていますから、この先どうなるかわからない。2018年W杯には日本が初の単独開催を目指すなんて話も出てきていますが、はっきり言ってサッカー界の景気はよくない」(前出関係者)
 世界恐慌のあおりでサッカー界にも不況の波が押し寄せようとしている。

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