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被害総額1億円超 「平成の五右衛門」追起訴563件でわかった窃盗手口

 約5年間にわたって空き巣を繰り返し、捜査員たちからは「平成の石川五右衛門」と呼ばれた窃盗犯が昨年捕まり、1月20日に追送検。その盗みの全容が明らかになった。

 新見敏幸被告(49・常習累犯窃盗罪で公判中)は昨年2月に埼玉県警に逮捕された。その後の自供や裏付けから、被害は1都5県で計605件、現金や貴金属合わせて総額1億160万円にのぼるとみられ、そのうち今回、563件、約8840万円分が追送検された。
 「'09年6月から御用となるまで、新見被告は職務質問されても怪しまれないようにセールスマンを装い、常にスーツとネクタイ姿で侵入する家を物色していました。移動手段はナンバープレートや車種で足が付くことを警戒し、車は使わずに電車。狙う地域も半年から1年ごとに変え、細心の注意を払っていたのです。さらに目を付けた家へは、窓枠のサッシにハサミを押しつけて硝子を割る手口で侵入。それも、『ハサミは普通のものではなく裁ちバサミでないとダメ』などと、こだわりを語っていました」(捜査関係者)

 この捜査関係者によれば、逮捕のきっかけは捜査員の勘働きだったという。
 「被害がJR高崎線沿いに集中したことから、一昨年10月、捜査員が桶川駅に張り込んでいたところ、すれ違ったサラリーマン風の男のポケットで硬貨がこすれる“じゃらり”という音がしたため目を付けた。その直前、桶川市内の女性宅に一階窓を破って侵入し、3万円分の500円硬貨が入った箱を盗んでいたことがわかったのです」

 そんな新見被告が捜査員に「平成の石川五右衛門」と呼ばれるのには、こんな理由がある。
 「捜査員らは一昨年12月、鴻巣市にある勝願寺に詣でて犯人逮捕を祈願していました。この寺は、石川五右衛門を捕縛したという伝説が残る武将の墓があるのです。祈願した翌日に犯行が確認され、その2カ月後には犯人を逮捕できたことから呼ばれるようになったのです」(社会部記者)

 プロの窃盗も捕まるときはあっけない。

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