その死がフジの株主総会(6月28日)の2日前だったせいか、上層部には衝撃が走った。職場での自殺となると、会社に対する抗議・不満の意思を表すケースが多いためだ。
塚越さんはクリエイティブ事業局営業事業部長の役職で、パソコンで流す動画配信の制作を担当していた。'06年4月、ライブドア問題を発端としたニッポン放送との再編でフジテレビのアナウンス室に移籍し、昨年6月から現職となった。享年57歳で、夫人との間に一男一女がある。
「やはり今の部署に異動させられたのが不満だったのでしょう。周囲にもそうもらしていたそうです。アナウンサーのままなら知名度もあり、Aクラスにいられる。だが、いまのポジションはゼロからのスタート。つまり、ニッポン放送からの転籍組は冷や飯を食わされていたのです」(テレビ業界事情通)
ちなみに、ニッポン放送から移った男性アナは、塚越さんのほか、栗村智さん、小野浩慈さんら。女性アナは田代優美さん、冨田憲子さんなどがいる。
「転籍組がフジに移ってからは、仕事に恵まれなかったのは事実。BSフジかナレーター程度です。塚越さんや田代アナのように、他の部署へ移されるケースもあった」(フジテレビ関係者)
塚越さんの自殺について、フジは沈黙を貫いているが、ニッポン放送広報室はすぐにツイッターでコメントを出した。
《【訃報】『つかちゃん』の愛称で親しまれた、元ニッポン放送アナウンサーでフジテレビの塚越孝さんが昨日お亡くなりになりました。謹んでご冥福をお祈り致します》
この対応の違いに、塚越さんの置かれた微妙な立場がみてとれる。