抑えとして開幕を迎えるも、交流戦から中継ぎに配置転換されていた広島・中崎翔太。20日、この右腕が調整のため二軍へ降格することが決まり、各メディアが大きく報じた。
今シーズンの中崎は、19日時点で「2勝3敗8セーブ・防御率4.08」と不振。降格前最後の登板となったロッテ戦(18日)でも1回4失点を喫するなど、安定感を欠く投球が目立っていた。
クローザーとして、チームの3連覇に大きく貢献してきた中崎。降格を知ったファンからは、「遅すぎる感もあるけどよく決断した」、「ゆっくり焦らず調整して」、「終盤戦でまた戻ってきてほしい」といった声が挙がっている。
ただ、今シーズン苦しんでいる守護神は中崎だけではない。セ・リーグの他5球団を見ると、開幕から一軍をキープしているのは阪神・ドリス、DeNA・山崎康晃の2名のみ。その他の3名はいずれも、怪我や不振で登録抹消を強いられている。
巨人が今シーズンから迎え入れたクックは、右ひじの違和感で4月23日に登録抹消。今月19日に一軍へ戻ったものの、同日のオリックス戦では8回に勝ち越しを許しそのまま敗戦投手となった。
現在リーグ1位タイの14セーブを挙げている中日・鈴木博志は、5月末に守護神の座を剥奪された後今月7日に二軍落ち。降格後初登板となった14日阪神戦(ファーム)では1回1失点を喫しており、復活まではまだまだ道半ばといった状況だ。
それまで「1勝1敗7セーブ・防御率1.26」をマークしていたヤクルト・石山泰稚は、コンディション不良により先月6日に一軍を離脱(今月6日に再昇格してからは2セーブを記録)。守護神の離脱も響いたのか、チームは翌週から魔の16連敗を喫し現在も最下位から抜け出せていない。
計算に入れていた抑え投手の離脱は、どこの球団でも大きな痛手となり得る。重要な役割を担う守護神をどれだけうまく運用できるかもまた、ペナントの行方を左右する要因となるのかもしれない。
文 / 柴田雅人