道中は終始、ハセハリドワール(4着)と馬体を併せる形で先団を形成。直線に入るとすぐに抜け出し、そのまま力強く押し切った。後藤騎手は「攻め馬で先頭を走ることがなかったから、多少、戸惑っていた。早めに外からこられてどうかなと思ったけど、勝てて良かった。先々は芝でも大きいところを狙えると思う」と今後を楽しみにしていた。
一方、国枝師は「物見しながら走っていたね」とまずは人気に応えてホッとした様子。「ソエがあってダートを使ったけど、脚元の具合を見ながらいずれは芝でもね。女馬にしては落ち着いていて度胸があるし、どっちかというと長め(の距離)に照準を合わせていくと思う。次走についてはまだ決まっていない」
牝馬ながら500kgを超える雄大な馬体の持ち主。まだまだ本来の力を出し切っておらず、次走も要注目だ。
19日(土)の芝2000m戦はファビラスボーイ(牡、父ジャングルポケット、母ファビラスラフイン=美浦・堀井厩舎)が接戦を制した。
4角で外に出されると、メンバー中1位の上がり(3F)で、内で粘るサンワードフラッグをゴール板直前で捕らえた。
良血馬が人気通りに勝っただけに、手綱を取った後藤騎手の声も自然と弾む。「スローペースだったので意外とてこずってしまったが、最後はよく交わしてくれた。ファンにクラシックの夢を見せてあげたい」
ただ、スローペースを考慮しても2分5秒6(良)の勝ち時計は平凡。有力馬がこぞって除外の憂き目にあい、相手に恵まれたレースでハナ差勝ちは物足りない。次走の「セントポーリア賞」(500万 東京芝2000m 2月16日)で改めて真価を問いたい。
同日のダ1200m戦は、1番人気のヒシオフェンス(牡、父ゴールドアリュール、母オージーカンパニー=美浦・国枝厩舎)が、1分14秒3(良)のタイムで優勝した。
吉田隼騎手はレースを振り返り、次のように話した。「聞いていた通り、スタートは良くなかった。でも、二の脚が速いのは分かっていたし、内でジッと我慢していた。きょうは勝ち負けより、砂を被らせ競馬を覚えさせることに専念した」
目先の1勝にこだわらなかったのは、「将来性のある馬」の裏返しでもある。事実、「最後は2頭の間を力でこじあけてきた。抜け出してからフワットしていたけど、走る馬です」と鞍上を脱帽させた内容はクビの着差以上に強かった。「まだトモが緩いけど、芝でも楽しみ」と期待に胸を膨らませていた。