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応援団(民主党)が去って… JALが突入する“乱気流” LCC、羽田発着枠、外人株比率…の視界不良(1)

 「悪夢再び−−日本航空(JAL)が、また崖っぷちに追い込まれるのでは…」
 安倍普三・自民党政権が誕生した昨年暮れ、市場関係者がこんな不吉な感想を口にした。
 2010年に経営破綻したJALは'12年9月に東証1部へ再上場。民主党政権下の数少ない成功事例となった。しかし、その裏では「実績作りを狙った民主党政権の露骨な経営支援」(航空関係者)がまかり通り、上場廃止から2年7カ月でのスピード再上場にも「成功し過ぎ」のブーイングが公然と囁かれた。だからこそ、今回の政権交代で強力な後ろ盾を失った今、JALが再び乱気流に翻弄されるのではないか、と危惧する声しきりなのだ。

 不吉な兆しがある。JALのライバルANA(全日本空輸)とマレーシアのLCC(格安航空会社)エアアジアの合弁会社、エアアジア・ジャパンは、成田空港を拠点に国内線3路線、国際線2路線を運行しているが、'12年8月の就航からたった4カ月後の昨年12月に、早くも社長交代劇があった。その理由は、やはり平均搭乗率の低さにあったという。目標の80%を大きく下回る65.4%に低迷していたのだ。
 「'12年はLCC元年といわれたように、ANA系のエアアジア・ジャパンとピーチ・アビエーションに加えてJAL系のジェットスター・ジャパンが就航し、既存の大手を巻き込んで価格競争が一段と熾烈になっている。そんな矢先にエアアジアが社長交代に踏み切った以上、新社長はシャカリキになって攻め立てる。それどころか『LCCが幅を利かせれば、遠からず大手は軒先を貸して母屋を取られ、大苦戦を強いられる。それを承知でJALやANAは、なぜ外資の口車に乗ったのか』と訝る声さえあった。これでエアアジアが外資仕込みの本性をあらわにすれば、殿様稼業にアグラをかいてきたJALは格好のカモになってしまいます」(証券アナリスト)

 民主党政権は、数少ない“財界の熱烈シンパ”の異名を取る京セラの稲盛和夫名誉会長をJAL再建の切り札として送り込んだ。当然ながら目的のためには手段をウンヌンしている場合ではなく、1兆円を上回る有利子負債の削減や3500億円超に及ぶ公的資金の投入、さらには総額4000億円にも及ぶ法人税免除などの大盤振る舞いを実施。日本経済史に残る奇跡の業績回復を演出したのである。
 「再建を託した稲盛さんに恥をかかせるわけにはいかないとばかり、民主党政権はJAL支援にドップリ漬かった。たまりかねたANAが『公平公正な競争環境を確保してほしい』と訴えたほど、のめり込みはハンパじゃなかった。安倍政権が誕生したことでJALは一気にはしごを外され、いよいよ本当の実力が問われることになる」(経済記者)

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