世界最貧国といわれた時代に、中国政府は人民に生きていくための糧を与える一方、共産党一党独裁政治を受け入れよと強制したが、飢えた人民は背に腹は代えられず、共産党独裁を受け入れてきた。
「ところが世界第2位の経済大国ともなれば、人は腹が一杯なだけでは満足しません。『人はパンだけで生きるのではなく、神の口から出る1つ1つの言で生きるものである」(マタイによる福音書4章)と新約聖書にあるように、人はただ腹を満たすだけの存在ではないからです。中国人も欧米社会のデカダンな享楽生活に走るか、宗教を含む精神的な人生の糧を求めるかなど、さまざまな価値観を持つようになっています。こうした欲求に対し、習近平政権は愛国主義をひたすら鼓舞して、宗教の役割を与えてきたのですが限界に達しています」(中国ウオッチャー)
香港では何十万人の若者、国民が中国共産党政権の傀儡である香港特別行政区政府が考え出した「逃亡犯条例」改正案の廃案を叫んでデモ集会をしている。彼らはもはや「われわれにパンを」と叫んでいるわけではない。香港人が求めるのは中国共産党政権の支配から解放された自由だ。
「現在、中国共産党は、キリスト教会の建物をブルドーザーで破壊し、新疆ウイグル自治区ではイスラム教徒に中国共産党の教え、文化の同化を強要し、それらに従わないキリスト信者やイスラム教徒を拘束しています。また『神』とか『キリスト』といった宗教用語を学校教科書から追放するなど弾圧を徹底させています。習政権は腐敗や汚職に走った党指導者を粛正する一方で、キリスト教やイスラム教を“アヘン”とし、政治腐敗ともども宗教に走る人民を弾圧し、共産主義の最終目標である宗教の抹殺に乗り出しているわけです」(同・ウオッチャー)
愛国を達成するための標的は日米だ。今の親日的な態度がいつ豹変するか分かったものではない。