今回はこうした怖い病気を防ぎ、楽しい年末年始を健やかに過ごすための健康法をお届けしよう。
年末年始を迎えるとさまざまなイベントが重なり、飲んだり食べたりで肝機能障害を起こしやすい。医療関係者によれば、“暴飲”は言うに及ばず、この時期は外食や酒を控えている人でも安心できないという。
理由は、家で美味しい物やケーキなどの甘いものを過剰に摂りすぎる傾向があり“肝臓破壊”のケースが増えているからだ。あまり知られていない「非アルコール脂肪肝炎」(NASH)になる人も多く、調べると年末年始の休暇で生活リズムが狂い、食べ過ぎと運動不足などで体脂肪がグンと増え、放置した揚げ句に重い病気に取りつかれてしまう。
東京社会医学研究センターの村上剛主任はこう指摘する。
「お酒を飲む人も同じことが言えますが、ただ、女性を含めて『太っちゃった』と嘆く人は、たっぷりと脂肪がまとわり付いてしまった方たちでしょう。体脂肪の元になる糖質(餅、ごはん、パスタ等の麺類、パン)を摂り過ぎているはず。その上に“食っちゃ寝”で運動もしてないとなると、肝硬変はもとより血圧や血糖値も上がってしまい、危険な病気に繋がります」
肝臓は、別名「体内の化学工場」ともいわれ、飲食で体内に入って分解された栄養素を貯蔵し、身体に必要な形に作り替えるなどさまざまな働きをする。しかし、多量の飲酒をしたり、食べ過ぎたりしていると、肝臓はオーバーフローになり、結果として脂肪が溜まり、「脂肪肝」になりやすい。
またアルコールを飲まない人でも、脂肪分の多い食事を続けていると、短期間で「脂肪肝」になることがある。村上主任は「これを放置していると、脂肪化をきっかけに肝細胞の破壊が起こり、『非アルコール脂肪肝』へ移行することがあるので、肝臓障害などを起こすので注意が必要です」と説明する。