刑務所内において、受刑者たちはすべての行動を制限され、刑務官の指示なしで勝手に動くことは許されない。
例えば、刑務作業中に道具を落とした場合でも、受刑者は勝手に拾うことを許されず、片手をピンと伸ばして「願います!」と告げ、一言断ってから拾わねばならない。
かといってシャバに出てきた元受刑者たちでも「願います、願います」と連呼こそしないが、うっかり癖が出てしまう場面は多い。居酒屋で箸を落とした際、大声で「願います!」と店員を呼んでいるような者は、怪しんだほうがいい。
▪️超指示待ち人間
一事が万事、刑務官の指示を仰いで行動する受刑者たちは、細胞レベルでそれが身に染み、シャバにおいても他人から指示されなければ動けない状態が続いてしまう。
これは“懲役ボケ”と呼ばれる元受刑者たちに有名な症状で、就職先でも率先して動くことができず、彼らがスムーズに社会復帰できない原因の一つとされている。
バイト先で使えないオジサンがいても、温かい目で見てあげよう。
▪️トークが超下手
同じく懲役ボケの症状として悪名高いのが、話し方の“たどたどしさ”である。刑務所の中とシャバでの話題の違い、または大きな声で笑うといった振る舞いについていけず、例えば唐突に質問された場合などに頭がホワイトアウトしてしまい、何も答えられずに黙り込んでしまうのだ。
ただ、これについてはそう長く続く症状ではないため、見かけたら優しく対応してあげよう。
▪️童貞並みの異性耐性
刑務所内では面会に来た嫁か、慰問に来たローカルアイドルくらいしか異性との接点がない受刑者たち。それゆえ、その耐性のなさは童貞の中学生並みになっており、いきなり女性から話しかけられようものなら、激しくドモったりする。
また、アルコールでも入ろうものなら、相手の胸元から視線を外せなくなったり、突如として下ネタが止まらなくなったりすることもある。
だが、こちらもそう長く続く症状ではないため、優しく見守ってあげよう。
▪️浦島太郎
刑務所内でもテレビや雑誌から情報を得て、社会の動きは把握しているつもりの受刑者だが、いざシャバに出てみると「なんで携帯電話にボタンがないんだ」と、まさにタイムスリップ状態。これも“浦島太郎”と呼ばれる懲役ボケの代表格で、彼らと社会の間に立ちふさがる障壁だ。
ブレイク中のお笑い芸人を知らないくらいならまだしも、今頃になってあれこれSNSを開設し始めるオジサンは怪しいかもしれない。