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ジャニーズ苦労人アイドル“関ジャニ∞”の軌跡(3)

 90年代に起こったジャニーズJr.ブーム。しかしその影では、多くの脱落者も輩出していた。学業に専念、社会人として再生、将来に不安、解雇などを理由に、ジャニーズ事務所を去っていく仲間たち。それを見届けた関西ジャニーズJr.、のちの関ジャニ∞は、迫りくる不安を解消できずにいた。そんなときである。内博貴という起爆剤が投入されたのは。

 内がボーカル、安田章大がギター、丸山隆平がベースを務めるバンドのV.WESTが誕生。関西テレビ(8ch)で冠番組をスタートさせ、今も『関ジャニ∞のジャニ勉』として続行している。ちなみに、グループ名「∞」は、恩恵ある「8」ch、そして、結成当初の人数が「8」人だったことに起因している。

 V.WESTはのちに、司会業をはじめていた村上信五、舞台経験を積んでいた横山裕、単身上京していた渋谷すばる、迷走していた錦戸亮を加えて、リスタート。遅れて、「ドラムを1か月でできるようになること」をメンバー入りの条件として付きつけられた最年少の大倉忠義が参加して、“∞”の骨組みが完成した。

 好事魔多し−−。2003年、新ユニット・NEWSが歌手デビュー。スタートメンバーに、錦戸と内も入れられた。関ジャニとの掛け持ちという、前代未聞の大事件だ。

 翌04年、関ジャニも演歌デビュー。先行きが見えないまま進んだ両グループだったが、05年に内が、未成年飲酒を決定づける写真が出回ったことで、芸能活動を無期休業(現在はソロ活動中)。11年、核であった山下智久と錦戸も、NEWSを脱退。翌12年、関ジャニは結成「8」年を迎えると同時に、念願の『NHK紅白歌合戦』に初出場をはたし、ようやく“稼げるジャニーズ”になれた。

 今月12日にはニューシングル「涙の答え」が発売。主題歌となっている大倉のソロ初主演映画『100回泣くこと』は、大ヒット上映中。11月には安田の『ばしゃ馬さんとビッグマウス』、14年には『県庁おもてなし課』に続いて、錦戸の『抱きしめたい』も公開される。

 関ジャニのや駆動力は、天井知らずなのだ。(了)

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