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「街道」で選ぶ、住んではいけない街とは?中山道編

国道17号
総延長●350・3㎞ 起点●東京都中央区日本橋終点●新潟県新潟市本町交差点 制定年●1952年(原型は1934年)東京近郊通過地域●水道橋、巣鴨、板橋、さいたま、高崎、ほか

 江戸の昔は中山道といい、今では国道17号。まあ、今も中山道という呼称は定着しているからどちらで呼んでもいいのだが、この街道もやたらと沿線の住民に愛着を持たれている道のひとつである。

 そもそもの中山道とは、東海道と並んで東京(江戸)と京都を結ぶ街道。碓氷峠に代表されるように、山間部を通っているのが特徴であり、今の高速道路で言えばルートこそ違うが、中央高速道路をイメージしてもらえばいいだろうか。かつては中山道ルートで進軍していた徳川秀忠が、真田氏の守る上田城で足止めを食らって関ケ原合戦に大遅刻したなんていうエピソードもある。ともあれ、沿線にそこそこ大きな町が連なる東海道と比べれば、圧倒的に“ド田舎”を通るのが中山道の特徴なのだ。

 そして現在の国道17号。一体どこを通っているのか。東京側から進んでいくと、最初の宿場は板橋である。東京23区に含まれていながらも、事実上は埼玉県化している最果ての板橋である。日本有数のマンモス団地にして自殺の名所として有名になった高島平も、17号の沿線だ。板橋区の中心(板橋宿の中心)板橋区役所も17号沿いである。

 17号の頭上には首都高速池袋線、地下には都営地下鉄三田線が通っている。この都営三田線もまた業の深い路線で、“ツウ”に言わせれば「三田線の本番は巣鴨〜西高島平、特に板橋区」だという。都心部を南北に貫くあたりは他の地下鉄路線でも代用が利くわけで、三田線でしかたどり着けない板橋区こそが三田線の真骨頂というわけだ。

 そもそも誰も板橋に行きたくないのだが、それはともかく確かに三田線は板橋区の大幹線。ただ、鉄道で埼玉を目指す人は、板橋はスルーして北区の赤羽サイドから進む。高速道路を使う場合、首都高池袋線は避けられないものの、高速に乗ってあっという間だから板橋区を意識する瞬間はない。こうしていろいろ削ぎ落としていくと、結局、板橋区民の誇りは“旧中山道最初の宿場町”ということだけなのだ。だから、国道17号は板橋区民の生命線ということになる。

 ちなみに、さらに国道17号を進むと、行き着くところは高崎である。高崎は同じ群馬県内でも県庁所在地のある前橋市のことを完全に見下し、むしろ栃木の宇都宮をライバル視する勘違いタウン。「ウチは中山道が通っているから」とうそぶいて、優位性をアピールするのである。まさに目くそ鼻くその争いなのだが、中山道の先を行っても険しい山道しかないことを、もう少し自覚していただきたい。それは、板橋区民も同じですが……。

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