『トランスフォーマー』シリーズにハマっている方は多いと思いますが、日本生まれだということを世界のファンはどれだけ知っているでしょうか。でも、このシリーズは新作が公開されるたびに、しっかり前作を見直さないと、なかなか細かいところまでついて行けないとの声もチラホラ。
そういう意見があるなら、最初の段階、つまり、トランスフォーマーのザ・ビギニングの時点へ戻りましょう。本作は、“地球外生命体は、善も悪も、なぜ地球へ来たのか?”“そもそも、いつの話?”“地球外生命体の一番人気・バンブルビーはなぜ、あんな可愛らしい性格になったのか?”などなど、スタートのお話だから、映画館に行く前に再チェックする必要は全くないのです!
主人公は、タイトル通りバンブルビー。車の形になって、ひっそりと地球に隠れていたバンブルビーは、ある時、少女チャーリーに見つけられます。父親を亡くし、それから家族とうまく接することができない彼女は、かねてより車を欲しがっていたけど買ってもらえずじまい。だから、日頃から仲良くしていたおじさんの廃品置場にあったバンブルビーを、「自分の力で直したらあげるよ」と言われて必死になります! そして、車から人型に変化したバンブルビーとの対面に、驚愕するのです。
バンブルビーも、それまで辛いことを数々経験していたし、チャーリーも日々、孤独を感じていた似た者同士。それだけに、チャーリーはすぐに状況を飲み込み、ひねくれた性格が徐々に変わり始めるのです。そして、チャーリーに惚れているメモも加わり、バンブルビーを支えて冒険に出るのです。
私と同世代が飛び上がるほど嬉しいのが80年代の音楽! バンブルビーは、とある理由で声を失っていました。だから伝えたいことがあると、ラジオから流れる曲を選んで“話す”のです。
伝えたいことを歌詞からピックアップして流す、これが洋楽を知っている人にとっては、とにかく笑いのポイント。ファッションやヘッドフォンステレオの懐かしいものも、もちろん登場します。
冒険ものではありますが、家族の絆とティーンの成長物語も大切な要素。チャーリーの弟がいい味を出してます。やはり、アメリカの大作では、ちょっとお調子モノって必要ですよね。
とにかく、好奇心を抑えきれず“普通の家”を覗くバンブルビーがキュートすぎ。新年度・新生活が始まる栄養剤になる1本です!
画像提供元:(c)2018 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
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(c)2018 Hasbro. All Rights Reserved.
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■バンブルビー
監督/トラヴィス・ナイト 出演/ヘイリー・スタインフェルド、ジョン・シナ、ジョージ・レンデボーグJr.、ジェイソン・ドラッカー、パメラ・アドロン、スティーヴン・シュナイダー他 配給/東和ピクチャーズ 3月21日(木・祝)先行上映/3月22日(金)全国公開。
■1987年、海辺の田舎町。父親を亡くした悲しみから立ち直れずにいる、思春期の少女チャーリー(ヘイリー・スタインフェルド)は18歳の誕生日、廃品置き場で廃車寸前の黄色い車を見つける。すると突然、その車が人型の生命体へとトランスフォーム。驚くチャーリーと逃げ惑う黄色い生命体。しかし、互いに危害を加えないことを理解すると、急速に距離を縮め始める。チャーリーは“バンブルビー(黄色い蜂)”と名付け、かくまうことにするが…。
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LiLiCo:映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS「大様のブランチ」「水曜プレミア」、CX「ノンストップ」などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。