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“夢を解読”する研究発表の可能性

 国際電気通信基礎技術研究所(ATR)らの研究チームが、睡眠中に見た夢の内容を解読することに成功し、米科学誌サイエンス電子版に発表した。
 「今回の技術が実用化すれば、脳の活動と併せて夢の内容を記録でき、科学的な分析が可能になります。近い将来、『昨日のあの夢を画像で見たい』という欲求が実現可能となるかもしれません」(睡眠科医師)

 この研究に協力したのは、27歳から39歳までの健康な男性3人。分析調査の過程は、相当に過酷だったことがうかがえる。

 まず男性は脳波測定用の電極が付いたキャップをかぶり、脳の血流を調べる機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)の中で昼寝を強いられる。睡眠には浅い眠りのレム睡眠と熟睡であるノンレム睡眠があるが、夢を見ることの多いレム睡眠に移行した直後に叩き起こされ、夢の中身を記録する。この作業を1人につき、何と200〜250回も繰り返したという。まるで“拷問”のようだ。
 「夢の報告内容を『本』や『車』など、計約60のカテゴリーに分類し、起きているときにそれらの画像データを見たときの脳活動パターンと、睡眠中の脳活動パターンとを比較。データを基にコンピューターで分析し、夢で見た物を当てるのです。その結果、約7割の確率で一致しました」(ATR研究者)

 この方法によれば、夢だけでなく、想像や幻覚の解読や、精神疾患の診断などの分野で応用が期待されるという。被験者の方々は、さぞ大変だっただろうが、非常に有益な研究といえるだろう。
 「憧れのあの人と、あんなことやこんなことが…」

 アーノルド・シュワルツェネッガー出演の映画『トータル・リコール』の世界も“夢”ではない?

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