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北朝鮮“利権山師”逮捕の次なるターゲット

 “北朝鮮利権山師(詐欺師)”の連続逮捕は今年も続くのか?昨年、過去に北朝鮮と深く関りを持った人物が相次いで逮捕された。いずれも北朝鮮絡みではなく、全く別の事件で逮捕されていることから「次のターゲットはだれか?」と注目を集めている。
 口火を切ったのは北朝鮮への人道支援を名目に数十回の訪朝を繰り返したNGO団体幹部の小坂博幸被告(54)。昨年3月、厚労省が支給する科学研究費補助金をだまし取ったとして逮捕され、執行猶予付き有罪判決を受けた。2003年に先行帰国した拉致被害者の蓮池薫さんらの子どもの写真や手紙を預かったとして派手に記者会見を行った人物である。
 9月にはフリージャーナリストの肩書きを持つ2人が相次いで逮捕された。
 若宮清被告(61)は過去に交際していた女性が住むマンションに無断で立ち入り、女性宅の郵便受けに自身の汚物入り手紙を入れるなどの変態行為を繰り返し、住居侵入の容疑で逮捕。昨年12月6日に懲役1年、執行猶予3年の有罪判決を受けた。二瓶絵夢被告(32)は東京・表参道の地上げを巡って土地取引の委任状を偽造し、商社などから計5億5000万円をだまし取った詐欺容疑などで東京地検に逮捕された。12月21日の初公判で起訴事実を「間違いございません」と小さな声を振り絞って認めている。

 若宮、二瓶両被告の北朝鮮との関わり方は酷似している。若宮被告は03年、独自の人脈を駆使して国会議員と北朝鮮高官との秘密交渉の橋渡し役を担い、交渉に同席。二瓶被告は04年、中国での山崎拓自民党副総裁(当時)と北朝鮮高官との秘密交渉に密着同行。一部週刊誌に「北朝鮮秘密交渉に同行した謎の美人ジャーナリスト」と報じられ、北朝鮮高官と直接電話できる人物とされた。
 3被告に直接のつながりはないものの、肩書きを超えた行動の危うさは共通しており、裏に「北朝鮮利権」の存在が見え隠れする。国交正常化後の北朝鮮への経済支援を見越し、大手ゼネコン各社が視察計画を立てるなど密かに注目されたことがあった。3被告は先んじて北朝鮮との接点を持つことで、将来「利権」という甘い蜜を吸う狙いだったとみられる。
 NGO「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」代表で評論家の三浦小太郎氏は「北朝鮮がまともな国でないことは誰でもわかっている。そのため、多少お金になることがあるとしても世論の反発が怖いからまっとうな企業や人は手を出さない。結果、“山師”のような人が関わることが必然的に起こる」と話す。
 日朝の異常な関係が続く限り、新たな“山師”が逮捕され続けても不思議はない。

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