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オリンパスを諦めきれないソニー

 巨額粉飾決算事件で弱体化したオリンパスは、財務体質改善のため他社との資本・業務提携を検討してきた。内視鏡事業で世界シェア約75%を占める同社は、「外資による乗っ取りを警戒する政府の意向もあり、最終的に国内3社、ソニー、テルモ、富士フイルムに絞られた」(情報筋)のだが、一時、提携そのものが“当面”見送られるとの観測がくすぶった。

 そのため、本命視されていたソニーは、相当に慌てたという。
 「ストリンガー会長はオリンパスの銀行団を精力的に行脚し、最大3割出資すると念を押した。ソニーはデジカメの画像センサーで高い技術を誇っており、オリンパスの内視鏡との相乗効果を狙っているのです」(事情通)

 3割出資は経営権奪取に王手がかかる水準。そんな野望を知れば、6月株主総会を控えたオリンパスが“当面”の提携を見送ったのも無理はない。
 「オリンパス社内には『何も乗っ取りリスクを犯してまで資本注入を受ける必要はない』との強硬論が一部にある。しかし、他社との提携なしで生きていけるかとなると怪しい限りです」(オリンパス関係者)

 実際、笹宏行社長は3月決算の発表会見で「どんな手段で自己資本比率を改善するかは検討中」と今後に含みを残した。ライバルのキヤノンが68.8%、ニコンが50.3%。対してオリンパスは4.6%まで低下しているため、第三者割当増資による資本増強は欠かせない状況なのだ。
 「ここにきてパナソニックの名前も出たため、ソニーはより執念を燃やしています。というのも、既に細胞分析を手がける米国のベンチャー企業などを相次いで買収したばかりか、医療機器メーカーへの製品販売を統括する事業部まで立ち上げましたからね」(経済記者)

 熱意はどこまで通じるか。

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