明治安田生活福祉研究所が実施した「男女交際・結婚に関する意識調査」(調査期間:2017年3月17日〜3月21日、調査対象:全国15〜34歳の男女10,304人)の中で、25〜34歳のアラサー世代の結婚に関する意識調査がまとめられている。
同調査によると、「未婚アラサーの男性6割・女性4割は結婚を意識した交際経験がない」という結果に。また、「『理想・条件を下げるくらいなら結婚したくない』未婚アラサーは男性4人に1人・女性5人に1人」だった。「絶対結婚したくない(独身主義)」「結婚したい気持ちはあったが、今ではあきらめている」という答えは年齢層が上がると割合も高くなり、合計すると30代前半では約3人に1人が現在結婚を考えていないという傾向が明らかになった。
実際に独身アラサー女性に話を聞くと、「いい人がいれば結婚を考えるが、一人の現状に満足している」という声が多い。そういった現状の中で、「男性はアラサーの未婚女性に“上から目線の人が多い”」という新たな問題に直面しているようだ。
「30歳を過ぎて40歳以上の男性に声をかけられることが多くなりました。『付き合ってやってもいいけど?』と上司に言われてビックリ。結婚してるじゃん、と心でツッコみながら笑顔でかわしたら『男日照りが続くと枯れるよ』と言われました」(アパレル・32歳)
「会社の飲み会で、同僚に『売れ残りだからもらってやろうか?』と言われて、冗談だと思って『私にも選ぶ権利があるんで(笑)』と言ったら『選ぶんだ(笑)?』と鼻で笑われて不快な気分に」(出版・28歳)
「離婚したばかりなのですが、それを知った50代の男性に『寂しいんじゃないの?いろいろ手ほどきをしてあげようか』と言われて…気持ち悪かったですね。もう男はコリゴリだって話をしているときにそう言われ空気が読めない人だと思いました」(フードコーディネーター・33歳)
「独身だっていうと『結婚、焦ってるでしょ』って決めつける男の人が多い気がします。そういう人って交際をお断りすると逆ギレしたり…。そもそも、自分を対等に見てくれない人はパートナーとして考えられないのに」(IT・27歳)
「『30過ぎたらBBA』なんてネットで言うじゃないですか。だから20代前半よりも男性に声をかけられないと思っていたら勘違い。『そんなんじゃ嫁にもらってもらえないぞ』と言われたり、家庭内別居だっていう人に頻繁に飲みに誘われたり…。正直、アラサーになってから上から目線で口説いてくる人が増えてイヤになります」(金融・31歳)
バブル期に「女の賞味期限はクリスマスケーキ」との表現があった。女性が24歳を超えると男性からのオファーが質や量ともに低下するため自分の希望を下げなくてはいけなくなる、という“クリスマスケーキ理論”なるものがあったのだ。現在は死語になりつつあるが、前世代的な価値観を持つ人も少なくないということだろうか。
冒頭の調査結果にあるように、時代とともに結婚に対する価値観は変わりつつある。独身女性を狙う不倫願望のある男性は昔からいたようだが、独身男性も独身女性を下に見る風潮があるようだ。お互いが尊重し合えない関係では、結婚はおろか恋にさえ発展しないように思えるが…。