4月にTikTokで伊那のまゆを食べる動画がアップされ、拡散された。動画の拡散が皮切りとなり、オンラインショップでの注文が増加。5月には、注文が始まると5分くらいで完売するようになった。
「伊那のまゆ」は先代の代表・竹村新太郎氏が創作した欧風和菓子。ホイップクリームをもなか皮に詰め、チョコレートでコーティングしている。機械を使わず一つ一つを手作りした商品だ。越後屋は、1882年(明治15年)に創業。以前は10種類以上の菓子を販売していたが、現在は人気商品「伊那のまゆ」「お蔵米」「月夜唄」の3品に厳選している。
ネット上では「これはぜひ食べてみたい」「ネットのパワーはすごい」「ちゃんと生産し続けて、提供されているこちらのお菓子屋さんは優秀」といった声や、「踊らされすぎ感ありますね」「ブームの終わりも早い」「この機にどれくらい固定客を得られるか」といった冷静な声も上がっている。
地方のひっそりした名店や銘菓にスポットが当たることは悪いことではない。しかし、冷静な声の通り不安要素もある。例えばキャパオーバーでモラルの低い客が押し寄せた場合、周りの店や家に迷惑をかける。ブームが終わった際に在庫を抱えてしまう危険もある。この辺りをうまく見極め、商売が続くといいのだが。