ロシアのニジネヴァルトフスクで、妻の肌を「きれいだ」と診察した皮膚科医に腹を立てた29歳の夫が殴り、頭部外傷などの怪我を負わせたと海外ニュースサイト『RT』と『LATEST PAGE NEWS』、『The Daily Star』などが9月28日までに報じた。
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報道によると、妻は肌に問題を抱え、夫とともに皮膚科を訪問。診察室には妻だけが入り、夫は診察室の外にいた。医師は妻に肘や腹部、背中を見せるように言ったそうだ。妻は指示に従い、服をめくり医師に肘などを見せた。医師は妻に対して「問題はない」「肌はきれいだ」と伝えたという。夫婦はイスラム教徒で、妻は顔や髪を覆い隠すためのスカーフ・ヒジャブをつけていた。診察中に妻がヒジャブを取ったのかは不明である。
妻は診察室を出て、夫に診断結果を告げ、医師から「肌はきれいだ」と言われたと話した。夫は医師が妻を過度に褒めたのだと激怒。一人で診察室に入り、「あなたの行動は私たちの宗教の原則に反している。あなたが医者ならもっと医者らしい仕事をしろ。行き過ぎた褒め言葉は医師の業務の域を超えている」と言って殴ったという。
妻の体のどの部分にどのような問題があったのかは不明だが、医師は妻に服を脱ぐようには言っておらず、診察に必要なこと以上は要求していないとみられている。なお、イスラム教の教えの解釈は幅広いが、基本的にイスラム教で、女性は夫など大切な人以外に肌を見せてはいけないという教えがある。また他人が妻を過度に褒めることは厳禁と考える人もいる。
診察室内には防犯カメラが設置されており、『The Daily Star』は事件動画の一部を公開している。妻が診察室を出ると、夫が入れ替わって診察室に入り、椅子に座る医師に何かを言い、突然殴りかかる様子が映っている。夫は頭部を1発殴り、殴られた勢いで医師は椅子から落ちた。夫は続けて頭部を再び2発殴っている。診察室には若い女性看護師が2人いて、そのうち1人が夫を止めに入っている。しかし夫は制止を振り切り医師の足元を足で蹴った。
その後、病院側が警察に通報し、夫は警察に拘束された。殴られた皮膚科医は頭部外傷や脳震とう、多数の打撲傷を負ったという。
このニュースが世界に広がると、ネット上では「医師はただ単に皮膚科医として仕事をしただけ。それにもかかわらず医師を殴るなんて夫はどうかしている。医師が気の毒でならない」「皮膚科を受診するのだからある程度肌を見せることは承知していたはず。夫の行動は矛盾している」「宗教の問題も絡んでいるのかもしれないけど、そんなこと言い出したら、妻はどの皮膚科も受診できないのでは」「妻が褒められたら私だったらうれしいし、だいたいの夫はそうなのではないか。宗教の問題は難しい」「医師はとりわけ妻を褒めたわけではなく診察の一環で、肌がきれいだと言っただけでは。夫は過剰に反応し過ぎだと思う」「診察室にカメラがあったみたいだけど、それは普通のことなのか。セキュリティ上必要なのかもしれないけど、プライバシーに関わる気もする」などの声が挙がっていた。
宗教関係で考慮が必要な時もあるかもしれないが、いかなる場面でも暴力は決して許されることではない。
記事内の引用について
「Man in Russia charged with ‘hooliganism’ after badly beating male dermatologist who said hijab-wearing wife’s skin was ‘beautiful’」(RT)より
https://www.rt.com/russia/535970-man-in-russia-charged-with/
「Husband beats up a dermatologist for calling his wife’s skin “beautiful” in a shocking video」(LATEST PAGE NEWS)より
https://latestpagenews.com/news/husband-beats-up-a-dermatologist-for-calling-his-wifes-skin-beautiful-in-a-shocking-video/
「Husband beats up dermatologist for calling wife's skin 'beautiful' in shocking video」(The Daily Star)より
https://www.dailystar.co.uk/news/world-news/husband-beats-up-dermatologist-calling-25089170