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本作は、12歳の時に実の母親とその夫がメモと1000円だけを残して数日外泊していることを学校の先生が知り、母親の帰宅まで児童相談所に保護されたトモヤがその後、児童養護施設に入所。そこで見つけた安心できる生活と、NPO『みらいの森』との出会いなど10代の自分に起こった出来事を、自分の言葉で告白する様子を記録していくドキュメンタリー映画。映画の完成に向け、到達しない場合は1円も受け取ることができない「All or Nothing 方式」を採用した500万円を目標とするクラウドファンディングで、今月13日から寄付も募っている。
サヘルは4歳から7歳までイランの孤児院で過ごした経験を持ち、本作について、「美しい映画だなというのが第一印象。光があって、聡明。皆さんが想像する映画とは違う。今までの児童養護施設を扱った作品とは違った作品」と絶賛。本作の被写体となったトモヤについても、「初めて会ったけど、すごく綺麗な目をしている。鏡ごしに自分を見ているみたい」と親近感を感じた様子。
「施設の子ども達は人の視線の中に自分が映ることを求めている。存在を確認できる相手を誰しもが求めている」と述べるサヘルは、「施設にいる場所があれば守られている部分があるけど、施設を出ると大変。孤立をする子ども達も多い。そんな子ども達に道を作っていく、それがわたしの仕事」と本作に参加した経緯を明かす。
トモヤも本作に被写体として協力したことについて、「18歳で施設を出てから、いろいろ大変な時期があって、養護施設にいた時も大変なことがあったんですけど、自分だけじゃなく、周りの人もそうなんだってことをいろんな人に知ってもらえたらという思いから参加しました」と説明。「少しでも養護施設の子ども達が心に余裕のある生活ができればいいな」と施設の改善を願っているといい、自身も「最終的には子ども達と関われる仕事に就きたい」と話していた。
(取材・文:名鹿祥史)