キャンピングカーといえば1台あたり300〜500万円台が主力で、庶民には高嶺の花だった。しかし、最近は軽自動車をベースにした“軽キャンパー”が増えて、300万円以下のものが中心となっている。
営業マンが顧客ニーズの変化を語る。
「もともと、ここ数年のブームで売り上げが伸びていましたが、コロナ禍で外出レジャーの性質が変わったことや、災害時のシェルター、リモートワークの部屋など新たな利用価値が見いだされたことで、購入を考える方が増えています」
8月3日には、車中泊スペースとキャンピングカーのシェアリングサービスを展開する『カーステイ』が、個人投資家から約5000万円を資金調達したと発表。今や車中泊はアフターコロナで伸びていく業界として、大いに注目されている。
また、かつてポップアップルーフが付いたミニバン『ボンゴフレンディ』を通常ラインナップにしていたマツダは、携帯トイレや虫よけネット、非常用給水バッグなどをまとめた“車中泊セット”を発売している。
しかし、一方で昔ながらのキャンピングカーは、トラックの後方にシェルを付けたものや、大型のバンや軽トラックを改良したものがほとんどで、選択肢が非常に少ない。そして、いざ試乗をしてみると、運転席の高さや商用車のような荒い乗り心地に、敬遠する顧客も多いという。
自動車メーカー各社は、自動運転や電動化に向けてしのぎを削っているが、それよりも乗り心地と快適さを兼ね備えたキャンピングカーの開発に本腰を入れた方が、売り上げに直結するかもしれない。