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蝶野正洋の黒の履歴書 ★政府のコロナ対策への提言

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提供:週刊実話

 政府の新型コロナへの対策が迷走している。「GoToキャンペーン」をやりつつ、お盆に帰省するのを控えろとか、緊急事態宣言のときよりも感染者が増えているのに、特に規制をしないとかね。これ、普通に考えたらメチャクチャじゃないかって思うけど、いまの日本の政治のシステムなら仕方がないことかもしれない。

 政府だって、別に事態を悪化させようとは思ってない。ただ、各省庁とか自治体の思惑がバラバラで、それぞれが経済を回すことだったり、医療崩壊を防ぐためだったりと優先順位が違っている。それを一斉にやりはじめるから、つじつまが合わなくなっている。

 ただ、政府や自治体が動くと、こういうことになってしまうことが多いんだよ。

 俺はいま消防や防災の啓発活動をしていて、防災関係の委員会の会議に呼ばれることがある。

 そこでは、消防庁や各省庁の担当者、それに加えて各地方の代表など専門家の方々が参加して、最新のデータを発表したり、これからの活動指針を話し合う。

 例えば、そこで「♯7119」という制度をもっと活用してもらうにはどうしたらいいか、という話が出る「♯7119」とは、怪我や病気をしたときに、救急車を呼んだほうがいいのか、すぐ病院に行ったほうがいいのか、などを電話で相談できる制度なんだよ。これは救急車の適正利用のために非常に大切な事業なんだけど、一方で「♯8000」というのもある。これは2010年度から全国で事業展開されているもので、子どもの急な病気や怪我に対し、どのように対処したらいいのかを相談できる「子ども医療電話相談事業」のこと。ただし厚生労働省の管轄になる。基本的には違う分野のことなんだけど、システム自体は似ているから、俺みたいな立場からしてみたら、ひとつにまとめられるんじゃないかって思うんだよ。

 他にも、ヘリコプターなんかも消防庁がレスキュー用に所持してるけど、総務省も独自に持ってるし、もちろん警視庁や防衛省にもある。これって、それぞれが独自に整備するんじゃなくて、ヘリ専門の部署を作って共有すれば効率もいいし、経費削減になるんじゃないかと思っちゃうんだよ。

 だけど、日本の政治システムではどうしても縦割りになってしまう。お互いに予算の取り合いにもなるだろうし、派閥もある。それに、総務省より厚生労働省は立場が上とか、各省庁にもランクがあるみたいで、お互いに忖度してしまう。

 俺が所属していた新日本プロレスだって派閥と忖度だらけだったよ(笑)。現場のレスラーとフロントの背広組というのは、完全にライバル関係。フロントは商品であるレスラーを焚き付けて、いかに利益を出すかということしか考えない。選手はそれにコントロールされないようにしながら、自分のやりたい仕事をする。無駄なことをさせられそうになったら、それは指摘しなければいけない。

 もちろん政治も一緒で、市民は「これは無駄じゃないか」って発言するべきなんだよ。

 前代未聞の事態で難しいとは思うが、政府のコロナ対策も現状は無駄が多い。「新型コロナ対策省」みたいな組織を作って、まとめてそこで対応するのもアリなんじゃないか。

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1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。

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