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北朝鮮“後継者”金与正氏の賄賂撲滅運動で王朝体制崩壊へ

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提供:週刊実話

 北朝鮮で新型コロナウイルス感染という問題が深刻化する一方、長年の「賄賂社会」に対する民衆の不満が爆発しかねない情勢に、金正恩委員長が動き出した。

 発端は、北朝鮮の3大権威機関の1つ「金日成高級党学校」の教授が「賄賂を強要する生活に疲れた」と自殺したことだった。これを伝え聞いた民衆は「賄賂社会」に対する積もり積もった怒りが爆発寸前。怒りを抑えるため、2月末には、朝鮮労働党中央委員会幹部が「特権、不正・腐敗行為があった」と、現職の党副委員長2人を解任した。

 3月に入っても連日のように、労働党機関紙や国営通信では「賄賂撲滅」や「全社会的な道徳建設」のキャンペーンが続いている。

 ところが、これは民心の怒りを和らげる効果がある反面、賄賂なしには動かない北朝鮮社会そのものを崩壊させかねない。

 まず、北朝鮮では賄賂が至る所に根を張っているという。

「学生にとって何より重要なのは、教授たちが作成する評価表ですが、無難な内容にするために、代わりに教授は賄賂を徴収する。治療も医師に賄賂を渡さないといつまで待っても受診できません」(北朝鮮ウオッチャー)

 ただ、こうした賄賂は「私腹を肥やす手段」とも言い切れない面がある。前述した教授が私腹を肥やすために金を集めていたわけではないことは自殺によっても明らかだ。

「蓄財した賄賂の一部を幹部が懐に入れることはあるが、さらに上の組織から『徴収』命令が出た場合に備えてプールしておかなければならない。ですから、北朝鮮では、組織や職場単位で賄賂を蓄財しておくことが広く行われているのです」(同)

 上の組織とは、最終的には金一族になる。

「つまり、賄賂を徴収するシステムを全否定して『賄賂撲滅運動』をやればやるほど、金一族は自らの首を絞めることになるわけです」(同)

 しかも、「賄賂撲滅」運動の先頭に立つのは金与正党宣伝扇動部第1副部長だという。

「彼女は正恩氏が’11年に権力を継承して以来、『側近中の側近』として活動しており、党宣伝扇動部副部長を経て現職にあります。昨年末の党中央委員会総会で、北朝鮮で最高の権力機関といわれる党組織指導部入りも果たしている。ただ、北朝鮮では党副委員長クラスや軍総参謀長、外相ら高級幹部が談話を発表することはありましたが、与正氏の地位で、本人名義において国家の立場を主張する談話を発表することなどありませんでした」(同)

 3月2日、正恩氏の指導の下で火力打撃訓練を実施し、東海岸の元山付近から朝鮮半島東の海上に2発の飛翔体を発射したことに対して、韓国の青瓦台(大統領府)は強い遺憾を表明し、即刻中断を要求した。すると3月3日には、金与正氏名義で韓国の青瓦台(大統領府)を「不信と憎悪、軽蔑だけをいっそう増幅させる」と非難する談話を発表した。

「こうしたことから正恩氏の代理として、国政運営にも深く関与していることが裏付けられたわけです。正恩氏の後継者に指名されたという噂までありますから、『賄賂撲滅』運動を大きな実績にして、与正氏は民心の掌握を図りたいのでしょう」(国際ジャーナリスト)

 後継者と見られる与正氏が金一族崩壊の一歩を踏み出した一方で、正恩氏は「賄賂社会」に対する民衆の不満がクーデターに発展しかねないことを一番恐れている。

 実は北朝鮮では、これまでに幾度か、クーデター未遂事件が起きている。

 1992年には軍のソ連留学組のエリートが中心となり、金日成・正日親子の暗殺を計画した。’94年には、朝鮮人民軍第6軍団が蜂起してクーデターを計画したが、いずれも実行前に情報が漏れ制圧されている。そして3年前の2017年には、正恩氏の排除を目的としたクーデター計画まで存在していた。

「このクーデターの存在は’17年5月、北朝鮮の秘密警察・情報機関『国家保衛省』が出した声明で明らかになりました。『われわれの最高首脳部を暗殺しようとするテロリストを保衛省が摘発したという事実とテロリストの送り込みに米国CIAと韓国の国家情報院が深く関わっていた』と述べました」(同)

 このように過去にクーデター未遂事件が発生している北朝鮮は、共産党政権が打倒されたルーマニア革命前夜と酷似しているという。

 ルーマニア革命の成功は、第1にルーマニア共産党政権の頂点に立つ独裁的権力者として君臨したチャウシェスク氏の暴政に、国民の不満が沸点近くまで上昇していたこと、第2に軍がチャウシェスク側から国民側に寝返ったこと、そして、ソ連が介入する意思も能力もなかったことが大きい。

「3月29日、北朝鮮は短距離弾道ミサイルとみられる飛翔体を試射しました。軍は新型コロナと建設現場に駆り出される重労働で不満は頂点に達しており、ミサイル発射でガス抜きをしなければ抑えきれないのでしょう。中国はコロナ禍で、ルーマニアのソ連と同じように北朝鮮で政権転覆が起きようと介入する余力はありません。そして、現状は『賄賂社会』に対する民衆の不満が爆発寸前。ルーマニア革命前夜と状況が全く一緒です」(同)

「賄賂撲滅」運動を行わなければ北朝鮮でクーデターが起きるかもしれないが、賄賂がなくなれば金一族の崩壊が待っている。

 正恩氏、打つ手なし!

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